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グランバニアは概ね平和……(リュカ伝その3.5えくすとらバージョン)
第57話:エリートは仕事で悩む。超エリートは私生活でも悩む。
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たいのだけれど、何故かこの男には有力なコネクションがあり、安易にクビを切れない。
そんな現状を見せ付ければ陛下かウルフ君が、手伝ってくれるのではないかと都合の良い憶測をし泣き付いたのだが、武器の案も無ければクビ切りも無い。
ウィンチェストさんに嫌味を言われても気にする素振りも無く、ウルフ君は鼻で笑っている。
「まぁ出来ない物は仕方ないじゃん。諦めて別の職でも探したら?」
「ふざけないでもらいたいですな。やる気の無い部下を押し付けられ、役に立たない助っ人を押し付けられ、これで成果を出せとは笑止千万! 陛下の信頼が厚いと伺ってましたが、上に立つ貴方がやる気無いから、やる気と才能に満ち溢れた私が足を引っ張られるのです!」
あははははっ……
これでクビかなぁ?
これでやっと解放されるのかなぁ……この人から?
「部下や俺にやる気が起きないのは、本人の所為では無く貴様の所為だろ! 才能に満ち溢れると妄想する人間が側に居れば、やる気なんて消え去っていくわ!」
よくぞ言ってくれましたウルフ君。だから僕は君の事が好きなのだよ!
レクルトSIDE END
(グランバニア城・プライベートエリア:ウルフの部屋)
マリーSIDE
「はぁ〜………………………」
帰ってくるなりマイダーリンが落ち込んでいる。
何があったのか聞いてみると……どうやら武器開発部の人と口論してしまった様だ。
武器開発部の偉い人は、自分に才能が無いのに何でも他人の所為にしてムカつく人物らしい。
だから思わず怒鳴ったら『じゃぁ天才と嘯いてるお前(ウルフ)には、打開策が有るんだろうな!?』と言われ、こちらも思わず『天才に不可能は無いわ!!』と言ってしまったとか……
ウルフ曰く、売り言葉に買い言葉で言ってしまった部分も有るが、武器開発部を何とかしなくちゃならない事も事実。
自分のプライドの為にも何とかしたいのだけど……
と悩んでるんですわ。
リューノが「元気出してウルフ。全ての事を解決できるわけじゃないんだから、貴方が落ち込む事無いわよ。才能の欠片も無いのに、偉そうにしてる奴が悪いんだから……ね?」と、可愛らしく励ましているけれど、マイダーリンの落ち込みっぷりは増すばかり。
こりゃぁ私が一肌脱ぐしかないですかね?
脱ぐって言っても
真っ裸
(
マッパ
)
になるって事じゃ無いですわよ。
まぁそっちもやるんですけど、今回の場合は違う意味ですわよ。
「ウルフ、私にアイデアが有るんだけど」
「マジでか!? 何か打開策が有るのか?」
凄い食い付き……本気で仕事に行き詰まってたのね。
「私自身が余り武器に詳しくないのだけれど……前世で歴史が流行ってた時に、火縄銃の知識を得た事があるのよね。それで良ければ提供出来るけど……」
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