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グランバニアは概ね平和……(リュカ伝その3.5えくすとらバージョン)
第56話:失敗は成功の元。でも失敗だと思わなければ成功へは辿り着けない。
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て私も一緒に行く事になったのだが、タイミングを逃しノーパン状態で、武器開発部の視察に同行する嵌めに……



(グランバニア城・武器開発室)

グランバニア城の1階の西側にある武器開発室に到着した。
この部屋は武器を開発し、直ぐに試したりするのでかなりの広さを有している。
そんな広い部屋の一角……出入り口付近では3人の部員がリュカの事を待ち構えていた。
普段来る事のない私の姿に3人とも驚いている。

「王妃陛下、ご紹介します。この武器開発部門の部員3人……中央のが部長のガント・ウィンチェストです」
リュカには勿論紹介の必要は無いが、私には誰が誰だか判らない。
それに気付いたウルフ君は気の利く部下として、彼等の紹介をしてくれる。これじゃ私が視察を望んだみたになってる……

「ウィンチェストの右に居るのがリブ・コルトー」
唯一の女性が緊張の面持ちで私に会釈する。
私も状況に付いていけず緊張している……何よりノーパンで緊張する。

「最後がバレル・グローク」
熊の様に大きい身体で髭モジャの男性が、懸命に身体を縮めて会釈する。
勿論私も会釈します。でも私が此処に来る必要って何?

「それか、新たに開発した武器は?」
簡単だが挨拶が終わったと思ったのだろうか、リュカが少し離れた所にある大きなボウガンに目を付けた。
ウルフ君の報告では、武器開発が行き詰まってるって事だったけど、何が問題なのかしら?

「ふ〜ん……良く出来てるじゃん」
苦い表情で何も言わない部員達を脇目に、リュカはボウガンに近付き手に取った。
遠目に見て大きいとは思っていたが、リュカが持つのを見てその大きさに驚く。リュカの背丈とほぼ変わらない。

リュカはそんな大きいボウガンを構えると、同室内に設置された試射室に行き勝手に発射させる。
試射室には約100m位の距離に鉄の鎧を着せたマネキンが置いてあり、リュカの放った矢は見事に命中……鎧の腹部に大きな穴を空けて貫通させた。

はて……開発に行き詰まってると言ってたが、なかなか如何して見事な威力ではないか。
飛距離も申し分ないし、部員が暗い顔してる理由が見当たらない。
それとも威力がありすぎて、武器嫌いのリュカから開発禁止を受けると思ってるのかな?

(すげ)ーじゃ〜ん! (すげ)ー武器じゃん!!」
あれ? 恐ろしい武器の製造に怒りを露わにするのかと思いきや、全面的にこれを肯定。
ボウガンを台に戻してウィンチェストさんに近付くと、肩をバンバン叩いて褒めている。

「これが量産されれば我が国は1000年戦えるね! いや〜素晴らしいよ、君ぃ……」
あ、嘘吐いてるわ。やっぱり何か不備がある兵器なのね。
でも開発をさせたくないから、不良品で満足して終わらせようとしてる
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