第一章
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」
「わかりません。ですがこの患者さん大丈夫ですか?」
「こんなにあちこちに針が刺さってて」
「如何にも痛そうですし」
「もがいてますけれど」
だが、だ。痛みにもがきながらもだ。女の顔はだ。
何処か恍惚としてうっとりとしていた。その顔を見てだった。
津上はだ。こう看護士達に言った。
「おかしいな」
「ですよね。針をこんなに」
「傷害事件でしょうか」
「だとすれば誰がこんなことしたんでしょうか」
「変態でしょうか、犯人は」
「いや、そういうんじゃない」
その恍惚として。狂気さえ感じられる女の顔を見てだ。彼は言ったのである。
「この患者何かな」
「ですから針ですよね」
「針がこんなに刺さってるって」
「明らかにおかしいですよね」
「誰がこんなことを」
「おかしいのはそこじゃない。けれどな」
患者の状況を見てだ。また言う彼だった。
そしてだ。すぐに手術に取り掛かった。まずは針を抜いていった。
目、眼球だけは傷つけない様にして刺さっている無数の針を抜いた。そしてだ。
耳や喉、乳房のものも抜きだ。臍も抜いた。しかしだ。
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