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STARDUST唐eLAMEHAZE
第一部 PHANTOM BLAZE
CHAPTER#6
戦慄の侵入者 〜Emerald Etrange〜
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に、周囲が一瞬静寂に包まれる。
 シャナは何故か自分でも意外なほどに衝撃を受け、ハッと息を呑んだ。
 承太郎の目元は学帽の鍔で目深に覆われているので、その表情は伺えない。
 渇いた風が一迅、女生徒達の前を通り抜けた。 
 まるで嵐の前の静けさの如く……
 そし、て。
「ええ〜〜!? ウソでしょう!?」
「確かにカワイイけど承太郎の趣味とは違うわよぉ〜!」  
「もしかして承太郎ってマニア!?」
「もう普通の女の子なんか飽きちゃって、ロリとかに目覚めちゃったの!?」
「イヤァ〜〜ン! JOJO!」
 爆発的に弾けた。
 周囲の(かしま)しい少女達の騒ぎに正比例して承太郎とシャナの額に、
青筋がびしびしと音を立てて浮かびあがる。 
 やがて、それは、臨界を超え……
「やかましい!! うっとーしいぜッ! てめえらッッ!!」
「うるさいうるさいうるさい!! どっかに消えてッ! おまえたちッッ!!」
 凄みに満ちた怒声があがったのはほぼ同時だった。
 その声に周囲は一瞬静まり返るが、すぐに。
「キャー♪ あたしに言ったのよ!」
「あたしよおー!」
「何言ってるの私よー!」
 と、装いも新たにはしゃぎだした。
……誠に、いつの時代も恋する乙女は無敵である。
 大名行列よろしく、後ろに女生徒達の群れを引き連れて
通学路を歩く承太郎とシャナ。
 各々幸福を絵に描いたような満面の笑顔で付いてくる女生徒達を
シャナは一瞥すると、
「大した慕われようね? おまえ。 
毎日こう? どこの「皇族」かと思ったわ」
皮肉たっぷりに言った。
「ほざきやがれ! ウットーしいだけだッ!」
 世のモテない男達が、集団自殺引き起こしそうな暴言を
承太郎は学帽で目元を覆いながら苦々しく吐き捨てる。
「それは同感。全く馴れ馴れしいったらありゃしないわ、コイツら」 
 シャナはキツイ目つきで後ろを睨め付けた。
(うむ。構成を維持する力が、ちと甘かったようだな。
まだ存在の「定着」には至っていないらしい。
或いはあの娘共の「情動」がソレを上回った、か……)
 シャナの胸元でアラストールが心中で小さく呟く。
 このとき。 
 その数多くの女生徒達を隠れ蓑にして、
その更に背後から一つの(くら)い影が迫っていた事に、
このとき二人は気づいていない。



【3】

 視界に、神社の赤い大きな鳥居が見えてきた。
 その先にある石階段を片手をポケットに突っ込んだまま降りる承太郎、
脇を両手で学生鞄を携えたシャナも同様のペースで共に降りる。
 二人の足が、13段目に掛かった。
 そのとき、だった。
「!!」
「!?」
 突如、全身を劈く怖気。
 次いで、激痛。
 


 ズァッッッッ
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