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身体は男でも
4部分:第四章
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第四章

「バンコク生まれのバンコク育ちだよ」
「あっ、私もです」
「運転手さんもなんだ」
「そうなんです。この町に生まれ育って」
 そしてだ。高校を卒業してだ。
 そこから今の会社に入ったのだ。最初は整備だったがやがて免許を取るとだ。運転に回されたのだ。
 そのことを思い出しながらだ。アッチャカラーンはそのサワリットに対して言った。
「それで今こうしてです」
「運転手さんをしてるんだね」
「そうしてます」
「そうだったんだ。バンコク生まれだったんだ」
「はい」
「いや。同じだね」
 後部座席に座ったうえでだ。サワリットは微笑んで述べた・
「それだとね。それじゃあね」
「それじゃあ?」
「また会うことになるかな」
「そうですね。今みたいに」
「二回会えたのは偶然だけれど」
 本当に偶然だった。アッチャカラーンは何とか見つけようとしていたからだ。この何百万もの人口を誇るバンコクの中でだ。あてもなくそうしようとしたのだ。
 だがそれをせずに済んだ。すぐに会えた。この奇跡に感謝してだ。
 彼はそれと共にだ。こう言うのだった。
「奇跡ですね」
「誰かに導いてもらったのかな」
「そうかも知れませんね。それじゃあ」
「うん。それじゃあバンコク駅まで頼むよ」
「わかりました」
 こう話してだ。アッチャカラーンはサワリットをバンコク駅まで運んだ。それでその時は別れた。しかし必要なことは全てその頭の中に入れたのだった。
 そしてだ。彼はまた昼食の時にだ。同僚達に話したのだった。
「彼のことはわかったから」
「だからか」
「それでなんだな」
「遂にか」
「ええ、するわ」
 告白、それをだというのだ。
「絶対にね」
「決めたか、遂に」
「告白するか」
「じゃあ花でも持って行ってそれでか」
「告白するんだな」
「あの人のことが本当に好きだから」
 決意した顔でだ。アッチャカラーンは同僚達に答える。今日は青唐辛子をふんだんに使ったタイ式カレーにトムヤンクンを食べている。
 その二つを食べながらだ。アッチャカラーンは言うのだ。
「そうするわ」
「じゃあ振られてもいいんだな」
「それでもいいんだな」
「その時の覚悟は」
「しているわ」
 覚悟している乙女の顔だった。まさに。
「それでね。私自身のことも言うわ」
「心は女でも身体は男か」
「そのこともか」
「それを言わないと何にもならないから」
 だからだ。言うというのだ。
「そのこともね。その時にね」
「隠さないんだな」
「そのことが一番やばいけれどな」
「けれどそれでもか」
「あえて言うんだな」
「どうせ。交際していればわかることだから」
 彼女の身体のこと、それはだというのだ。
「だから。言うわ」
「そうか
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