第3章 リーザス陥落
第92話 大隊長 ミネバ・マーガレット
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上と言う死角から。
建物を利用し、飛び降りてきた兵士がいた。重量級である故に、更に攻撃力が増すのだが……、勿論当たらなければ意味は無い。
「戦場では、常に生き残りを懸けた戦いだ。……卑怯などと言う言葉は存在せん。……だから、お前たちを卑怯とは言うつもりはない」
最小限の動きで、清十郎はそれを躱し、地面に剣が突き刺さった所で 自身の剣で頭部を穿った。
「がっ ひゅっ……!」
息つく暇もなく、絶命し動かなくなる。
清十郎の強さは十分過ぎる程身に染みたヘルマン兵達だ。今までの戦いから轟いた異名が間違っていない事も。だから、数の利を活かして、攻めよう。前後左右、全方向からの一斉攻撃を仕掛けようとしたのだが……、それも敵わない。
「赤将リック、参る」
清十郎の背には リックがいたからだ。完全に死角などは無い。
違いに背中を預けている形だった。
「バイ・ラ・ウェイ!!」
「ぎゃああああ!!」
「ぐああああ!!!」
圧倒的な手数の差。それは物量の差ともいえるだろう。その高速の剣技を受けた兵達は、無限とすら思える太刀筋に圧倒され、少しも防ぐ事が出来ず、全身を切り刻まれ、吹き飛ばされた。
離れた場所で、仲間たちが殺されたのを見たヘルマン兵は、足並みを乱し、動揺した。
「し、死神に鬼……っ!!」
2人の戦いを見て、この戦争で轟いた名を思い出していたのだ。
そう――それは圧倒的な実力者。絶対的強者。幾ら束になって攻めたとしても、その攻めた数だけ、屍の山が築き上げられるだけ。
眼前の相手――それがいったい何なのか、彼らは確かに見た。
それは、黄泉へと誘う鬼と死を司る神だ。
そして、続きがある。
その後ろには、彼らを従えているのは 黒曜石とも見間違う程、鮮やかで……妖艶な美しささえ纏わせている剣を振るう黒の剣士がいる。それが、リーザスの三強。
ヘルマンの中でも名の轟いている3人の戦士だった。
そして、もう1人。
人一倍うるさくて、更には出鱈目だと言っていい力を持つ男も1人。……全くのノーマークだった、と言う訳ではないが、それでも 警戒は3人よりは遥かに薄かった。
それが甘かった、と痛感している者も、ひょっとしたらいたかもしれない。一振りで、全てを吹き飛ばす剛剣。ヘルマン兵の巨躯な体が、まるで木の葉の様に吹き飛ぶ。がはは、と戦場で 笑いながら 剣を振るう男、ランス。
「へっ……、オレら 出る幕なんか無かったんじゃねぇか?」
「流石ユーリさんですかねーー。惚れ直しちゃうですーーっ」
「ユーリさんもだけど、リックさんや清十郎さんもでしょう? トマトさん。………(あ、あとランスもだけど……)」
お零れを相手にしているミ
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