第3章 リーザス陥落
第92話 大隊長 ミネバ・マーガレット
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この言葉に、ランス自身もユーリにしては 珍しく、勝負を急いでいる様にも思えたのだが……それも一瞬の事。『あの戦闘狂が? 頭打ったか?』程度である。
「がははは! 格好良く始末するのはオレ様だー! らぁぁぁんす……!」
ランスは、叫びながら跳躍をした。
一見すれば、隙だらけ……とも言える攻撃手段だが、その威力が驚嘆であるのが、闘気の解放《ランス・アタック》である。着弾点から爆散する闘気のエネルギーは破壊だけを求めているかの様に、周囲を吹き飛ばすのだ。
ランスのレベルにはそぐわない程の威力を持つから、益々驚嘆だと言えるだろう。
「……しめた」
だが、ミネバは冷静そのものだ。
ランスの攻撃、ランス・アタックについては、ランスが出し惜しみをしないから、何度となく見ている。その性質……そして、着弾すると、どうなるのか。
「あたぁぁぁぁぁぁっく!!!!」
ランスの攻撃、ランス・アタックが、ミネバの間際で爆発した。
強烈なエネルギーは、まるで爆発が起きたかの様に、飛散し 大地の破片と共に土煙が巻き起こる。
そう――巻き上がるのだ。その周囲に巻き起こる土煙が、ミネバの身体を覆い隠す事になった。
「ははっ! 間抜けだねぇ、ぼうや! 感謝するよぉ」
ミネバは、一切の攻撃をせずに、防御に集中した。威力を知っているからこそ、それを上回る覚悟と、防御姿勢でダメージを最小限にしたのだ。
ミネバの姿が完全に隠された所で、ユーリは直ぐに動く。
だが、それでもミネバを見失ってしまった。ランスの攻撃が来る為、距離を取った事が仇になってしまった様だった。
「ちっ……、逃げる気か!」
「だぁぁぁ!! 素直にオレ様の剣の錆になれば良いのだ!! 逃げるなぁぁ!!」
逃すとかなり危険な相手と強く認識している為、直ぐに行動をするユーリと必殺の一撃を躱された事に憤慨し、追いかけるランス。それでも視界が不良事、それなりに乱戦が続いているから、気配を辿るのも難しい。
土煙に映されたミネバの影はもう完全に消え去ってしまっていたから。
「(あんなもん、正面から誰が受けてやるか、ってんだよ。頭足らずなぼうやだ。あっちに比べたら大分)」
ランスの言葉に、呆れつつ 逃げの一手は認めていた。勝気な性格だと言えるが、無駄な意地は持ち合わせていない様だ。
そして、逃げ出したミネバが目指すのは1つだった。
「(感情が表情に出やすいね。……それに、アイツ自身とあたしは面識は全くない。つまり考えられるのは代行ってトコか)」
ミネバはある場所を目指し、速足で移動を続けながら考える。
「(代行。……おそらくは仇討ちの類。それが濃厚――か。随分とやんちゃだったからねぇ
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