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ランス 〜another story〜
第3章 リーザス陥落
第92話 大隊長 ミネバ・マーガレット
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のままに蹂躙してきた連中なのだから。

 つまり、どうなろうと、してきた事への報いが巡ってきた、と言うだけの事なのである。例外がいるとすれば、崩落により 命を失いかけたヘルマンの兵士達、トーマの部下達だけだろう。

「がははは!! 死ねぇぇ! ゴリラババア!!」

 ランスは一切容赦せず、その剛剣をがら空きのミネバの脳天目がけて振り下ろす。
 タイミング的にも、そして ランスの剣速を考えても、ミネバには防ぎようが無いだろう。

「は……? え……ぁぁ……」

 頭に振り下ろされる瞬間……呆気にとられた様な発言をミネバはしていた。頭を割られ、絶命するであろう瞬間にも、判っていない様子だった。その瞬間、ユーリには判った。

「!! ランス、伏せろ!!」
「どわあっ!!」

 ユーリは、咄嗟にランスを突き飛ばし、倒すと、そのランスの胴体があった場所に、突如戦斧が現れた。
 ユーリは、その攻撃を自身の剣で弾き返す。がきぃいんっ! と言うけたましい音が響いた。

「こらぁ、ユーリ! ……む? ななな、何故貴様(・・)が! うげっ、まさか双子だとでも言うのか?? ババアが二匹もいるなんて、気持ち悪いにも程があるぞ!」

 突き飛ばされて、憤怒していたランスだったが、直ぐに自分が置かれた状況を理解していた様だ。けたましい音が響いたのに、正直遅い気もするが……まぁ、ランスだから。

 だが、状況を見て、ランスは 殺した筈の(・・・・・)ミネバが……再び現れて攻撃をしてきた、と言う事にそれなりに驚いていた様だ。

 ランス自身は、殺されるつもりなど毛頭なかった様だが(自信過剰) それなりに危なかったのも事実。とどめをさした瞬間、勝ちを思った瞬間に、隙と言う物は生まれるのだから。

「(まぁ……、ランスなら 別に助けなくても 問題なかった気もするが。……それより)」

 ユーリは、斧を受け止め、弾き返しつつ、目の前のミネバを睨む。

「《フォト・ショック》か。 ……何処までも下衆な女だ。貴様は」
「へぇ……、チンケな魔法だけど、生真面目な男は、大抵引っかかっちまうんだが……、あんたは、やっぱり 別格って訳かい。パッと見は、そこのぼうやよりも更にぼうや、ただのガキっぽいんだがねぇ」

 ミネバは、ユーリの姿、全身を一通り見た後にそう呟いた。

 はっきり言って、もう何も言う事は無い程、言う必要が無い程、ミネバの言葉は、地雷なのだが……、ミネバと言う女を知っているからこそ、元々怒っているからこそ、ユーリは、今までの様に、そこまで劇的変貌を見せる事は無かった。

 その代わりに、無言の剣撃で返答をした。その剣は正確で素早く……何よりもミネバに全く引けを取らない程無情で、その身体の急所に迫る。

「っ!
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