暁 〜小説投稿サイト〜
ランス 〜another story〜
第3章 リーザス陥落
第92話 大隊長 ミネバ・マーガレット
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リ、そして トマトとラン。殆どの敵勢力は4人に向いているのだ。そう思ってしまっても無理はないだろう。トマトは まるではしゃぐ子供の様に、ぶんぶんと手を振るかのように剣を振り、ランは トマトの気持ちは十分過ぎる程判りつつも、戦っているのは4人だから そう付け加えていた。……ランスの事はぬかしていた様だけど。

「ちゃんとフォローはしないとだめだよ、みんな! チューリップもこれだけ接近してると、誤射の可能性だってあるから使えないから!」

 その隣にマリアがいる。彼女の最大火力であるチューリップ3号の使用はとりあえず辞めて、白兵戦に入っていた。これだけ密集していれば、味方諸共吹き飛ばしてしまいかねないだろうから。

「……ランスだけだったら、使っても良いって思うけどね」

 随分と辛辣な言葉を呟くのは、志津香。
 先ほどの魔法でそれなりに消耗したのと、マリアの言う様に巻き込む可能性がある為、規模を抑えた中級魔法程度で、応戦をしていた。

「……ユーリなら、いや、後の2人も、防いじゃいそうだけど」

 苦笑いをしつつ、翅を畳んで降りてきたのはフェリス。
 空から戦線を見極めつつ、介入をしていたのだが……、殆どがあの4人が食い尽くしてるので、その必要も無かったのだ。その言葉を訊いて、志津香も苦笑いをしながら『確かに――』と同調していた。
 
「ケガしても、私が必ず治します」
「私も。神の名において、必ず」
「お助けしますっ!」

 ヒーラーの3人、クルック―、セル、シィルと揃っている為、守備は万端だと言える。数では劣っていたとしても……完全に、量より質だ。ヘルマン側には魔法を使える魔法兵は配備されていない様で、はっきり言ってしまえば、脳筋パーティ。力に物を言わせて強引に戦い続けてきたのだろうが、今回ばかりは相手が悪い。
 
 それを敵側が意識するのも時間の問題だった。
 
「だ、だめだ……、お、おれらじゃ、こいつらには……」

 強者を前に、気の弱い者は 立ち上がる事さえできない。それ程の実力差を目の当たりにしたメンバー達は、思わず後ずさろうとしたが……。

「ば、ばかやろう!! こ、ここで引いても、ミネバ大隊長に殺されるだけだ!! 生きる為に、前にいくしかないんだよぉぉっ!!!」

 敵わない相手だろうが、関係ない。
 使えないと判断されたら、即断罪されてしまうのだから。それは、これまでにも何度も見てきた。……何度も味わってきたのだから。


 恐怖で支配されているヘルマン軍だと言えるが、一切の同情の類は無かった。


 確かに彼らは圧倒的なミネバの力に屈服し、従っている形となっているが、その性質の悪さも受け継がれている。それは町の状況を見れば一目瞭然だ。征服した町を蹂躙。サウスの人達を欲望
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