第一部 PHANTOM BLAZE
CHAPTER#3
RED ZONE 〜封絶〜
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開けっぴろげな子供の声で勝利の狂声をあげた。
「……何が……・可笑しい……?」
「!?」
狂声を遮るように、その背後から怒気の籠もった声があがる。
人形は首だけで後ろを振り返った。
いつの間にか、承太郎は人形の背後にいた。
その身体には、火傷は疎か服に焼け焦げ一つすらついていない。
「なッ!? ど、どうして!? 確かに僕の炎で焼かれたはずなのに!!」
先刻、承太郎が炎に呑まれる瞬間、足から伸びたスタンドの「足」が、
軸足を高速で反転させ発生した遠心力が、人形の腕に掴まれた肩を引き剥がすと同時に
その背後へと廻り込ませたのだ。
炎は音速で巻き起こったドーム状の旋風が弾き飛ばした。
「残像」を攻撃していたという事実に、人形だけが気づかない。
「……お前……お前……一……体……ッ!? う、うああッ……!」
承太郎の両眼で渦巻く怒りに、人形でも「恐怖」を感じるのか
作り物である真鍮の歯がカタカタと鳴る。
「 “人間を燃やして喰うのがそんなに可笑しいか”ッッ!!」
「うッ! うわあああああああああああああああああああああああッッ!!」
悲鳴とほぼ同時に、神速で承太郎の身体から延びたスタンドの腕が、
人形の全身に夥しい拳撃のラッシュをゼロコンマ1秒以下で叩き込んだ。
グアッッッッシャアアアアアアアアァァァァァ!!!!!!!
破砕分解され砕け散った人形の部品が薄白い火花と共に路面の上に雨のように降り注ぎ、
バチバチと音を立てて爆ぜる。
「次はテメーだッ!」
承太郎はその精悍な表情を崩さないまま、
尖鋭に構えた逆水平の指先で喋る首玉を指差した。
「何の 「目的」 があるかはしったこっちゃあねーが、
動けなくなったヤツらを女だろうが子供だろうが皆殺し。
テメーさえよけりゃあいいという……
もはやこの地球上に存在してて良い存在じゃあねーな」
そう言って承太郎は無数のマネキンの首が埋まった集合体へ距離をつめた。
その事に危機を感じたのか、突如、開かないはずのマネキンの口が開き、
甲高い叫声があがる。
巨玉に埋め込まれた首の数だけ、全部。
それに合わせるように、承太郎の周囲の空間に突如、
無数の巨大な火の玉が出現した。
そしてその中から、今バラバラにしたものと同じタイプの「人形」が次々と現れる。
その数、目測で約50体以上。
それぞれ色や模様が違い、なかには剣や槍で武装しているものもいた。
「なるほど……一人じゃかなわねーから数にモノをいわせるという事か?
臆病モンが考えそーな事だぜ」
自分を取り巻く怪異に対し、微塵の動揺もなく承太郎は剣呑な瞳でそう言い放つ。
例えどんな状況に陥っても、自分が「絶望」する事は
有り得ないと確信し
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