5部分:第五章
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第五章
「戦争終わったら凄い国になるかもな」
「凄い?」
「凄い国になるってか」
「俺の親父が言ってたんだよ。日本軍は馬鹿みたいに強かったってな」
彼の父の話をだ。ここではじめたのである。
「親父も海兵隊にいてな。硫黄島の戦いに参加してな」
「ああ、あの戦いか」
「あんな小島を完全包囲して攻めたのに洒落にならない損害出たってな」
「それは俺も聞いてるぜ」
他の三人も硫黄島の戦いのことは聞いていた。何故なら。
彼等も海兵隊だからだ。アメリカ海兵隊にとって硫黄島の戦いは伝説になっていたのだ。
「二万やられたってな」
「俺達の親父達がな」
「一体どんだけやられたんだよ」
「っていうか日本軍って何なんだろうな」
「どうやってそんな戦争ができたんだよ」
完全包囲下でだ。集中攻撃を浴びたうえでアメリカ軍の精鋭である海兵隊の上陸を受けたのだ。敗北は明らかだった。しかしそれでもだったのだ。
海兵隊は二万の損害を出したのだ。日本軍は司令官である栗林忠道中将以下壮絶な玉砕を遂げた。しかしそれでもだ。海兵隊がそこまでやられたのだ。
このことについてだ。マニエルは言うのだった。
「あのお握りばっか食ってる連中にな」
「そこまでやられたんだな」
「日本の親父達は強かったんだな」
「それも洒落にならない位にな」
「日本人も強くて規律正しいからな」
だからだとだ。マニエルは言ったのである。
「だから今あそこまで金持ちになってるんだよ」
「じゃあベトナム人もか」
「あそこまでなれるか?」
「日本みたいに」
「日本みたいになれなくてもかなり豊かで凄い国になるだろうな」
マニエルはベトナム、そしてベトナム人についてこう言ったのだった。
「これだけ強いんだからな」
「かもな。こんな強い奴等そういないぜ」
「武器も物資も俺達が圧倒しててな」
「状況も不利だってのにな」
これがベトナムの状況だった。絨毯爆撃は始終受けており損害も酷かった。
だがそれでも果敢に戦いだ。アメリカ軍を悩ませていたのだ。
その彼等の攻撃を直接見ながらだ。マニエルは言うのだった。
「だからな。ベトナムは凄い国になるかもな」
「この戦争が終わったらか」
「戦争じゃなくて他のところに力を注いだら」
「とんでもねえ国になるか」
「ベトナムは動物に例えると豹だからな」
マニエルはベトナムをこうも評した。
「豹は強くて賢いぜ。そんな国だよベトナムは」
「楽勝だって思ったんだがな」
「これがどうだよこの強さ」
「敵に回したことを後悔するぜ」
四人でだ。彼等が敵になっている今を後悔しながら。
そのうえで反撃を出しながら話していた。朝は戦闘の中で飯も食った。
そしてそのまま昼になった。しかしだ。
昼も戦
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