第十六話 神戸を後にしてその八
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「その言ったこともな」
「正しいから守ろうと思って」
「俺は決めたんだよ」
「僕も一緒にいるって」
「友達でいるってな」
これまで通りというのだ。
「友達が困って逃げる様な奴はな」
「友達じゃないっていうんだね」
「ああ、祖父ちゃんがいつも言ってるからな」
こう教えられたことも言うのだった。
「それでだよ」
「僕の隣にいてくれてるんだ」
「こうしてな」
今は向かい側の席にいる、位置は違うが傍にいる。
「いるんだよ」
「そうなんだね」
「手の平返しなんてする奴はな」
そうした輩についてはだ、龍馬は嫌悪と軽蔑を込めて言及した。
「俺は大嫌いなんだよ」
「友達が困っていたら逃げる人は」
「そんな奴信用出来ないだろ」
「確かにね」
優花も龍馬のその言葉に頷く。
「そんなことをしたら」
「ああ、絶対にな」
それこそというのだ。
「駄目だからな」
「それで僕にも」
「俺は絶対にここにいるからな」
「僕の傍に」
「離れていてもな」
それでもという返事だった。
「俺は御前の友達だ」
「心でだね」
「傍にいるからな」
「そう言ってくれるんだ、それじゃあ」
「一緒にな」
「離れ離れになってもね」
「そうしていこうな」
これ以上はないまでに確かな声でだ、龍馬は優花に告げた。
「長崎でも元気でな」
「時々来てね」
「そして長崎で遊ぼうな」
「ここにいる時みたいにね」
「そうしような」
こう話してだ、そのうえでだった。
二人は神戸にいる間常に共にいて暫く離れるこの街のことで悔いがない様にした、優花はその間も神戸を発つ準備をして。
編入の手続きについてもだ、優花は優子と話した。
「僕の編入は」
「ええ、長崎の方のね」
「高校だけれど」
「私立だから」
「あっ、そうなの」
「そう、だからね」
それでというのだ。
「八条学園と同じね」
「私立だから」
「そこは八条グループと縁が深いの」
「そうした学園なのね」
「八条学園の姉妹校の一つと言っていいかしら」
そこまで近いというのだ。
「交流も結構あるから」
「そうなの」
「だから安心して通えるわ」
「僕が男の子だったことは」
「誰も知らないから」
「そうなのね」
「理事長さんはご存知だと思うけれど」
優花が編入しその過去のことをだ。
「それでもね」
「理事長さんも安心出来る人なの」
「しっかりとした女の人らしいから」
「女の人なの」
「公正で生徒思いのいい人と聞いてるわ」
「そうなのね」
「よく学校の先生はおかしな人がいるけれど」
暴力常習者や性犯罪者が他の職業よりも割合的に多いのではないだろうか、極左活動家は間違いなく他の職業よりも圧倒的に多い。
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