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世界最年少のプロゲーマーが女性の世界に
18話 鈴戦
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確かに迷惑でしかない。だけど、それを否定しようとは思わない。だって僕も身勝手に戦い続けてきたんだから。いまさらどのツラ下げて人の行いを否定できるというのか。そして僕自身、この戦いにおいて自分にとって意味があるものだから受けている。

 しかし、一夏さん。こんな人にこれだけ思われていることを幸せだと思ったほうがいいと思う。心底、羨ましく感じる。自分の道を支えてくれる人が身近にいてくれるというのは中々ないんだから。

 そんなことを考えていたら、思わず口にしてしまった。

「……一夏さん羨ましいですね。これだけ思われているんですから」

「思って当然よ。だって私は一夏が好きなんだから」

 へ?

「……へ?」

「……あっ」

 思わず間抜けな声を出してしまう。それは鈴さんも同じだった。彼女の場合は咄嗟に反応してしまったみたいだったが。

 しかし、そうか。鈴さんは一夏さんのことが好きなのか。ふーん。

 思わず口角が上がってしまう。我ながら下衆な笑みを浮かべていただろう。

 鈴さんの顔が面白いくらいに赤くなる。茹で蛸とはこういうことを言うんじゃなかろうか。
 この会話が僕と鈴さんだけのもので本当に良かった。周りの人間、特に一夏さんがいたら事件が起きていたのは容易に想像できる。もしくは箒さん。彼女でも多分、ひと悶着起きていただろう。

 さて、このまま追求したいところだが、戦う前にほのぼのとしているわけにもいかない。

 僕は全力を賭して彼女の戦いに応えるのが礼儀であろう。そもそも、この戦いに温存している余裕など存在しないが。

「……さて、と。始めましょうか」

 赤い顔で睨んでいた鈴さんだったが、僕の雰囲気が変わったことを感じ取ったのか彼女の雰囲気もまったく違うものに切り替わる。

 一瞬緩んだ空気が締まり直され、緊張感のある雰囲気に両者の間に走った。

 僕は武装、ミサイルポッド、レール砲、左手に夜叉をそれぞれ展開する。一夏さんの時と違って多くの武装を展開しても、甲龍の機動力に負けることはない。機動力だけなら5分以上を確立できる。

 鈴さんも右手に装甲を展開し直して、一瞬光ったと思ったらその手には双天牙月が握られていた。

「……鬼一、この戦いにはアンタとあの馬鹿の時と違って引き分けはないわ。キッチリ白黒つけましょう。私たちの間でね」

 その言葉の意味を理解する。鈴さんは表面上の引き分けなどは一切の意味がないということを僕に伝えた。
 つまり、同時にエネルギー切れになったとしても再戦などでしっかりとケリがつくまでエンドレスによる勝負を、勝敗が決まるまで敢行するということだ。

 上等だ。これだけ熱い思いをぶつけられて引き分けなんて終着はいくらなんでも納得できない
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