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世界最年少のプロゲーマーが女性の世界に
18話 鈴戦
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 ……それに一夏さんの表情も気になる。あれは、鈴さんの行動に驚いていた、困った感じではあったが『止めようとしなかった』。その事実が、僕には鈴さんに何らかの明確な意志を持って僕にこの戦いを持ち込んでいると思えたし、一夏さんもその意志について心当たりがあるように見えたのだ。

 そんな鈴さんはISの装甲を展開していない右手で頬を掻く。言えないわけではなさそうだが、言うべきか言わないべきか考えているようだ。

「……えーっと、そのへんはやっぱり話さないといけない?」 

「……まぁ、気になると言えば気になりますね。いくらなんでもこのタイミングで格下の僕に対して戦いを持ち込むのは不自然です。一夏さんと戦うことも決まっていますし、僕が一夏さんを教えているということも考えたら気になりますよ」

 その言葉に鈴さんは諦めたようにため息をついて、僕にとって予想外の言葉を吐き捨てた。それは鈴さんにとっては受け入れがたいような、明確な嫌悪感を持っており、鈴さんも口にしたくないのは明らかだった。

「あの馬鹿ね、アンタに劣等感を抱いているのよ」

 あまりにも率直に、身も蓋もないことを言われた。

「は?」

 一夏さんが僕に劣等感を? なぜ? そんなものをどうして感じるんだ。感じる必要もないし、感じることに意味なんてない。というか、そもそもそれは―――。

「アンタの言いたいことはなんとなく分かるわ。そもそもアンタと一夏は違うんだから、その感情に意味がないと言っても過言じゃないわ」

 鈴さんは僕と視線を合わせないまま、そう口にする。だけどその言葉に反して鈴さんは一夏さんの心を否定するつもりはないようだ。言葉と本心はまた別なのは僕から見ても明白だった。鈴さんのそれはきっと、一夏さんを受け入れるような優しさが、熱があるように感じる。

「……私も映像で見たけど、アンタと一夏の試合は確実に一夏を変えたわ。もちろん他にも要因はあるだろうけどね。だけど、あの試合はそのきっかけなのは間違いない」

「……」

 僕の存在が一夏さんを何かを変えた。それがなんなのかは分からない。だけど、鈴さんはそのきっかけは僕と一夏さんの試合であると断言する。

「……あいつはアンタの強さに触れて、感じて、そして自分の弱さに気づいて、その弱さに心が折れかけているのよ。しかもあいつはその弱さを隠しているわ。その弱さそのものが罪だと思ってね」

 強さ、ね……。

 本当に強かったら僕は今歩いているこの道を、犠牲を築かずに歩いているはずなんだけどな。一夏さんは僕の何に、何の強さを見出したのだろうか? 一夏さんと話したらしいが、その内容を覚えていない僕には心当たりがない。

「アンタ、一夏に言ったらしいわね。戦うということは大なり小なり傷つけ、
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