暁 〜小説投稿サイト〜
世界最年少のプロゲーマーが女性の世界に
18話 鈴戦
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こから何らかの対策も考えていたはずです。
 でも、それをしなかったということは鈴さんのレベルが予想より高かったということですわ。過去の情報は1度破棄してリアルタイムで得られる情報から攻略を考えることにしたんだと思います」

「……だけどそれって」

「はい、かなり難しいことですわ。鈴さんから情報を得るためにはどうしても先ほどのような高速戦闘は必要不可欠です。高速戦闘に意識を割きながら情報を集め、リアルタイムで対策を考え実行しなければなりませんし、そこに加えて鬼一さんの場合だとISの制御にも細心の注意を払う必要がありますわ」

 その言葉に一夏は顔を歪める。そんなことは自分には到底出来ないと語っていた。

―――――――――

 地表に叩きつけたれた鬼一は意識が定かでは無かったが、素早く身体を起こして鈴に向かい合う。鈴は追撃に移らなかった。鈴も鬼一に対して警戒をしていたからだ。

 鬼一は口の中が粘ついていることに気付き、地面に吐き出した。どうやら口の中を切ったのかそこには唾液に混じって血液が混じっている。

 今のやり取りの中で得た情報を鬼一は整理。

 ―――やはり鈴さんとの近接戦はかなり危険を伴うな。少なくともタイミングが合ってくればなんとかなるほど楽なものじゃない。むしろ積極的に仕掛けてくる分、ベクトルは違うけどたっちゃん先輩より面倒だ。

 ―――射撃をすればそれを利用され踏み込まれ、近接戦で散々振り回されて、そこを離脱しようとすれば龍砲が待っている。これを支えているのは鈴さんの貪欲なまでの攻撃性。それこそミス上等の立ち回り。

 ―――……僕にあの双天牙月の攻撃を捌ききれるほどのスキルはないし、隙を作って確実に射撃を当てれるほどのスキルもない。必然的に龍砲を攻略してそこから隙を引きずり出すしか道はない。

 ―――龍砲。展開から発射、そして着弾までが異常なまでに速い。だけど今の1発からいくつか分かったことがある。鈴さんは高速戦闘をこなしながら龍砲を扱う余裕、思考はない。だから僕の隙を狙うような形で使うことになったんだ。『タイミング』は取れたし龍砲を使う『基準』も分かった。

 ―――あとは自分と鈴さんの位置、体勢、視線、あの球体、それらの情報から瞬時に判断して回避とカウンターに全力を注ぐしかない。

 それがどれだけ難しいことなのか鬼一は骨の髄まで理解している。しかし、やらないと勝てないというならやらざるを得ない。

 やらなければ負けるのであればやるしかない。それがe-Sportsで学んだことなのだから。

―――――――――

 先ほどと同様に鬼一と鈴は高速戦闘を開始する。

 鈴は龍砲と双天牙月の波状攻撃を仕掛けるために。

 鬼一は龍砲を攻略し、ビッグリターンを得るた
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