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世界最年少のプロゲーマーが女性の世界に
18話 鈴戦
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リギリのラインで察した鬼一は迎撃に移行する。どれだけ早かろうが瞬時加速は直線的なものでしかない。読み切れたのであれば迎撃はさして難しいものじゃ―――。

 羅刹の引き金を絞り、エネルギーが収束され銃口から吐き出された。鈴の進路に置くように。

 平均レベルのIS操縦者ならば直撃を免れない一撃。しかし、鬼一の目の前にいる存在はその程度の生き物じゃなかった。この程度で敗れるのであれば、近接戦向きの操縦者が代表候補生になれるはずもない。

 鈴は手に持った双天牙月で迷わず赤色の濁流を切り払う。腕が軋むほどの衝撃が走るがただそれだけの話。迷わず進む。

「―――っ!」

 鈴の一撃を夜叉で受け止め、レール砲で鈴を追い払う。この段階で近接戦をするわけにはいかない。

 ―――……龍砲で迎撃させるつもりだったのに、まさかこんな方法で凌がれるなんてな。どっちが化物なんだか。

 だが、目の前で起きた光景は鬼一にとって大きなヒントになる。鈴の攻略に繋がる情報だ。

 背筋に汗が流れる。一瞬の判断ミスで負けることを実感。

 両者は再び距離を空けた。

「やるわね。一瞬、殺ったと思ったんけど」

 軽い口調で鈴は鬼一に話しかける。

 応える気はさらさら無かった。いや、応える余裕が鬼一にはなかった、という方が正確だろうか。

 しかし、自分の心情を読まれたくない鬼一は軽口を無理やり叩く。

「そちらこそ。随分むちゃくちゃなことをしてくれますね」

「そう? このご時勢、近接戦をメインに据えている操縦者ならこの程度出来ないと話にならないわ」

「あれ、最初から狙っていたんですか?」

「まさか。どうしたもんかなー、って考えていたんだけど咄嗟に思いついたからやっただけよ」

 鈴のその言葉に頭痛すら覚えた。
 つまり、鳳 鈴音という操縦者は自分の咄嗟の思いつきを一瞬で形に出来るほどの技術を持っているという事実だ。しかも極めてハイレベルな内容。

 この事実に鬼一は小さく舌打ちを漏らす。

 あらかじめ考えてあった戦術、その数は30を優にあった。

 焦るようなことはなかった。極めて静かに、冷静に鬼一は結論を出す。

 あらかじめ考えている戦術程度では、目の前の相手には通用しないことを理解せざるを得なかった。

 ならば、一から組み直す他しかない。それがどれだけのリスクを持っているのも理解した上でだ。

 ―――少なくとも、二択を仕掛けられる前に何が何でも龍砲を使わせないと。今の状態だと仕掛けられたら多分、どうしようもないかもしれない。あんな状況なら普通龍砲で迎撃することも十分考える。いや、それが最初にくるはずなんだ。リスクが1番避けれるから。にも関わらず使わなかったってことは、もしか
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