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血のせいにはならない
6部分:第六章
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いるな」
「はい、それに俺達の中でもまだ行いが悪い奴がいますね」
「そうした奴等も」
「まだいますね」
「そうだ。だがそれでもだ」
 そうした小さいことではなくだ。ケイローンは大局を見て言っているのだ。
「かなり違ってきたことは事実だな」
「はい、何か本当に」
「かなり変わってきましたね」
「それは確かですね」
「大切なのは自分自身なのだ」
 これがケイローンの言いたいことだった。そして実際に言うのだった。
「とどのつまりはだ」
「自分自身ですか」
「それが大事なんですか」
「そうだ。精進するのだ」
 また言うケイローンだった。
「生まれでは何も決まらないのだ」
「わかりました。じゃあこれからもですね」
「学び己を保てということですね」
「その通りだ。そうすれば諸君等も馬鹿にされ軽蔑されることもなくなる」 
 これまでの様にだ。そうしたことがないというのだ。
「わかったな。それではだ」
「はい、それじゃあ」
「これからも頑張りますね」
 ケンタウロスは明るい顔になって彼等の長老の言葉に応える。そうしてだった。
 ケンタウロス達は努力していった。そうして何時しか人間やニンフ達と変わらない評価を受けるようになった。イクシオンの子孫であってもだ。そうなったのである。


血のせいにはならない   完


                           2012・4・3

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