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STARDUST唐eLAMEHAZE
第一部 PHANTOM BLAZE
CHAPTER#2
VOODOO KINGDOM
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少女の視線は、いつのまにか鋭くなっていた。
 ケーキを口元に運んでいた先程とはまるで別人。
 この少女にも、己が祖先の肉体を奪って現代に甦った男、
『DIO』 と何らかの 「因縁」 が在るのだろうか?
「アラストール? この写真から、こいつが今どこにいるか解る?」
「……」
 承太郎の手から写真を引ったくり、シャナはアラスールに訊いた。
「……わからぬ、な。背後の空間がほぼ完全に闇で埋まっている。
“誰” の仕業かは、考えるまでもあるまい」
「そう」
 シャナは短く呟いて写真を承太郎ではなくジョセフに手渡した。
「ホリィ、ワシ等はしばらく日本に滞在する。
すまぬがお前の家にやっかいになるぞ」
「不本意ながら、ね」
 そう言って承太郎を一瞥するシャナ。
「とんでもない。家が賑やかになって嬉しいわ。
何か困った事があったなら遠慮なく言ってね?
シャナちゃん、今日からよろしく」
 ホリィはそう言って、店内に降り注ぐ陽光よりも優しい笑顔を向けてくる。
「ふぇ? あ、ぁ、うん……」
 ホリィの何気ない言葉と仕草に何故か顔が紅潮したシャナは、
その表情を気取られないように俯きスティック5本分の砂糖が入った
カプチーノを一気に飲み干して椅子から飛び降りた、
着地の反動で黒衣の裾がふわりと揺れる。
 そのままジョセフと一緒に出口に向かおうとしたシャナを、
彼女の胸元からあがった声が引き止めた。
「待て。まだだ。話は終わっておらぬ」
 唐突なアラストールの声に、
出口に向かおうとしたジョセフとシャナがテーブルに向き直る。
 承太郎も椅子に座って煙草を銜えたまま、
シャナの胸元で光るアラストールに視線を向けた。
「空条 承太郎。貴様のその虚ろなる「器」の力。
幽波紋(スタンド)
我が察するにどうやらソレは、我ら紅世に近い領域に位置する能力(チカラ)で在るらしい。
そこで、此れより貴様の器に我が「名」を付けよう。
己が分身(わけみ)の存在をそうして「認識」する事により、
今までより()るのが容易となる筈だ」
「なァッ!? ジョセフはともかく、なにもアラストールが……
こんなヤツにそこまでしなくても!」
 本日、累計4度目の「な!?」の後、
シャナは躊躇いがちにもアラストールに抗議の声をあげる。
 しかし、件の如く「よい」の一言であっさりと却下された。
 我が孫も嫌われたものだなと、ジョセフは心の中で苦笑する。
「例の、物を」
 アラストールの威厳に満ちた声に不承不承、
シャナの細くて可憐な指先が黒衣の内側へと潜る。
 再び出てきた手には、一纏めにされたタロットカードの束が握られていた。
「紅世の 「宝具」 の一つだ。図柄を(あらため)ず、無造作に一枚を引いて決めよ。

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