sts 28 「雷光の裏側」
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病院でシャーリーやエリオ達の見舞いを済ませた私はなのは達と一緒にゲンヤさんの元へ向かった。理由は戦闘機人に関連した話を聞くためだ。
その際、ショウも同行すると言い出した。左腕の骨折と他の局員に比べれば軽傷であるし移動に問題はないけれど、怪我人であることには変わりないため私は止めた。でも彼の洞察力や技術者としての知識は現状において有意義な意見を出してくれる可能性も高い。そのため他の隊長陣に押し切られる形で私の意見は却下され、ショウも一緒に同行することになった。
なのはやシグナム達だってショウの体のことは心配してるんだろうけど……ゲンヤさんの話は通信でみんなにも聞けるように行う予定だったんだから別に連れて行かなくても。
このような考えだからフェイトちゃんは心配し過ぎ、などとよく言われるんだろう。でもこれからのことを考えれば、休める時にはきちんと休んでおくべきだと思う。
「……病院であれだけ言ったのに」
ショウは私やなのは、はやてと比べればきちんと休みだって取っているだろうし、基本的にいつも私達に仕事ばかりするなと注意する立場だ。
でも……私は知ってる。
ショウは強い。どんな現実でも目を逸らさずに立ち向かう強さを持ってる。その強さに憧れを抱いた。悲しみを宿しながらも前を見据える瞳に自然と惹かれた。だから話してみたい、友達になりたいと思った。
その想いは闇の書を巡る事件でさらに強まったし、事件を通してショウの強さを改めて感じた。それと同時に、なのはと同じように一度覚悟を決めたら命に関わる事態になっても彼は突き進むんだと思わされた。
「ずっと……ずっとショウのことを見てきた」
10年前から友達として……自分の気持ちに気づいてからはひとりの異性として。
いつも冷静で冷たい素振りをするときもあるけど、なんだかんだで優しくて……誰にも負けない才能があるわけじゃないけど必死に自分に出来ることを磨いて強くなった。背中を安心して任せられる……でも必要だと判断すれば自分の命さえ賭けてしまう。そんな風に私は思ってしまう。
同じ境遇に置かれてもショウは私達のことを見ていてくれる。折れそうになる心を支えてくれる。でもショウにだって私達と同じような傷はあるし、なのはみたいに無茶なことをやるときはやる。だからこそ、いつまでも甘えてちゃいけないと思うようになった。
「……でも」
私はショウに甘えてばかりな気がする。……ううん、この答えは多分分かってる。私はショウに甘えてほしいと思う以上にショウに甘えたいって思っちゃってる。
だって私は……ショウのことが好きだから。
10年前からこの気持ちは変わらない。いや時間が経つにつれて、ショウとは仕事とかで顔を合わせる機会が少なくなっていった
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