第1章 情熱の体育祭
第21話『準備』
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*
「あ、暁君! ようやく見つけた!」
俺は廊下の端でようやく暁君を見つけた。全く、この学校は広いから骨が折れる…。
「ん? 三浦か。どうした、そんなに息を荒くして?」
小走りで移動していたから、俺は息が上がっていた。だから、手短に要件を伝えることにする。
「実は、カクカクシカジカ・・・」
「──なるほど。で、俺が魔術を早く会得しろと部長が」
「うん」
俺の拙い説明でよく理解できたな暁君。さすが天才、一を聞いて十を知るとはまさにこのこと。
「じゃあ早く行こ!」
「お、おう」
俺は暁君と共に魔術室へと引き返した。
*
暁君を魔術室に連れてきた後のこと。
「あれ、今何か光が見えなかったっすか?」
「おぉ良いぞ、その調子だ!!」
・・・なぜだ。なぜ暁君はそんなスムーズに会得しようとしてるんだ?! やめろ、俺の努力が虚しくなる!
「部長、俺の“暁光”っていうのは光メインの魔術なんすよね?」
「え? まぁそうだが…。でも火属性も持ってるぞ?」
「いえ。ただ“魔術で何ができるのかな”と思って」
しかも俺とは違って、後のこと見据えてるし!
もうヤダ…俺って惨め…。
「よし、暁もいい具合に仕上がってきたことだし、ここらで実戦といくか! 三浦、準備しろ!」
「どうせ暁君より俺は・・・ってはい! 何ですか?!」
「実戦だ。暁とな」
「えっ、いいんですか!?」
「マジすか…」
暁君はまだ未完成なのにと不安そうにしている。確かに、まだ実戦には早いんじゃないだろうか。
でもきっと、部長には何か考えがあるのだろう。俺は素直に従うことにする。
*
俺と暁君、そして部長が学校内の裏庭に集まった。
部長曰く、ここはあまり目立たない所で、人目を避けて魔術を使うにはもってこいの場所なんだそうだ。
さすが、色んな場所があるなこの学校は。
「審判は俺がする。二人ともこっちだ」
部長に言われた通り動く。
そして、俺と暁君が向かい合うように立つ形になった。
「随分と早く叶ったな」
「そうだね」
以前俺はこう口にした。いつか暁君と魔術を使って戦いたいと。
なんとあれから数日でもう現実に起こったのだ。驚く他ない。
「俺はもう魔術を使えるんだ。負けないよ、暁君!」
「俺だって負ける気はねぇさ。この戦いの中でチャチャッと使いこなせるようになってやるぜ」
部長が離れた所に立ち、いよいよ始まろうとしている。
「いくぞ二人とも。よーい始め!」
手
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