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魔法少女リリカルなのは 絆を奪いし神とその神に選ばれた少年
第三十二話 ミサキの戦い
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ずヴィータに接近し、右手でのストレートを放つ。
「おらっ」
ヴィータも自身の手に持っている槌型のアームドデバイス『グラーフアイゼン』を私の拳にぶつけてくる。
そのままの状態のまま、数秒が経過する。
なるほど。この背丈に似合わない凄まじい膂力だ。下手をすれば吹っ飛ばされかねない。
「へっ。スピードやキレはあっても肝心の力パワーはあんまりないみたいだな」
ヴィータからの指摘通り、私はあまりパワーを持っていない。
というのも、私の戦闘方法では逆にパワーは邪魔にしかならないからだ。
「まあ、そうだね。でも、私にとってパワーは……邪魔にしかならない!」
「なっ!?」
私は、
わ
(
・
)
ざ
(
・
)
と
(
・
)
力
(
・
)
を
(
・
)
抜
(
・
)
い
(
・
)
て
(
・
)
ヴィータのグラーフアイゼンから手を離す。そして無論支えを失ったグラーフアイゼンは力を乗せていた方にそのまま向かっていき、ヴィータの懐はがら空きになる。
そのまま流れに逆らわずに、私はヴィータの懐に腕を持っていき、一気に振りぬく。
「ぐっ!?あああああああぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!???」
ヴィータは驚くほど吹っ飛んでいった。まあ、それも仕方ないだろう。力という物は反対側に無理やり方向を変えればそれまで向かっていた方向への力も同時にそちらに傾く。
そう、私の戦闘方法は接近戦ではカウンターなのだ。
カウンターで主に受けの体制を取り、隙を見つけ次第、腕や足を振りぬき相手の距離を取る。
そして距離を取った後こそ、私の真骨頂だ。
「く、くそっ!だったら、これで!」
というと、ヴィータは自身の周りに鉄球を展開する。
「なるほど。ゲートボールのようなものか?」
「はんっ!あれよりも凄まじいショット見せてやらぁ!!」
…………やってるんだな、ゲートボール、などと戦闘中だというのに思ってしまった。
「おっらぁ!!!」
鉄球を力任せに打ち付けてきた。が、そこはやはり歴戦の騎士といった所か。その鉄球は真っ直ぐに飛んでくる事なくそれぞれバラバラになりながらも、私に迫ってくる。
「ふっ……全方位からの攻撃、か……私には死角などない!!『チェーンバインド』!」
私は右手の平からチェーンバインドを作り出す。
さあ、見せてやろう。前世での戦い方を!
SIDE OUT
「美咲さん、本気だな」
「え?」
観戦室で見守っていた全の言葉にるいは驚く。
「本気って……今までは本気じゃなかったって事なの?」
「いや、あの一撃は確かに本気で打ち込んでいたと思う。でもそれは
素
(
・
)
手
(
・
)
で
(
・
)
の
(
・
)
話
(
・
)
だ」
「素手?じゃあ、ミサキさんは本来は違うって事?」
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