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魔法少女リリカルなのは 絆を奪いし神とその神に選ばれた少年
第三十二話 ミサキの戦い
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「?なんだ?」

「お前、明後日暇か?」

「???ああ、確かに振り替え休日で暇だが……」

今日は土曜日。故に明後日である月曜日は振り替え休日で休みとなっているのだ。

「思えばさあ、あたしらってお前と模擬戦したことねぇなって思ったんだよ」

「?はぁ……で?」

「はぁぁぁぁ……だから!明後日、あたしと模擬戦しねぇかって聞いてんだよ!」

「…………?」

何の脈絡もなく言ってくるので全には訳がわからなかった。

「……要するに、今のお前が安全かどうか、模擬戦の中で確かめるという事だろう」

「………………戦闘狂かよ」

全は呆れるしかなかった。まあ、騎士だから仕方ないかもしれない、とは思ったが。

「……その日のコンディション次第ですけど……でも……」

そう言って全は視線をシグナムに向ける。

「む?どうした?」

「俺としては、貴女と模擬戦してみたいなって思ったりして……」

あはは、と頭を掻きながらそう言う全。

「私は別に構わんが……なぜだ?」

「いえ、大した理由ではないのですが……ぶっちゃけこの中で一番腕が立つのが貴女だと思っただけなので……自分の今の限界点を知るいい機会になるのではないかと……」

「……限界点がわかって、それからどうするんだ?」

と、ザフィーラが何やら疑問を感じたようだ。それもそうだろう。誰が好き好んで自身の限界を知ろうというのか。

しかし、全は違う。

「いえ。限界点を知れば、そこからさらに突き詰めれる点も分かりますし。いつもそうやって鍛えてますから」

そう、全は自身の限界点を()()()知る事で、自分はこれ以上に成長できると確信が持てるのだ。

限界点というのはその人物が勝手に決め付けた事。ならば、さらにもう一分張り出来る。そう、全は結論付けた。

実際、全の師匠である麻子も自身に限界はないと言っているのを全は知っている。

『いいか東馬。限界ってのはな。勝手に人が決め付けた設定されたゴールって奴だ。でも、ゴールするっていうのはそこで進化は止まっちまう。そこからさらに一歩踏み込めるかどうか。それが、強さに胡坐を掻く奴と止めどない進化を続ける奴の違いだ』

まあ、私は後者だがな。と胸を張って喋っていたのを全は鮮明に覚えている。

――――これがこのような子供がたどり着ける境地か?

ザフィーラは戦慄した。この年齢でそのような事を考えるとは思えなかったからだ。

そして、それはシグナムも感じ取ったようで

「……わかった、引き受けよう」

「あ、ありがとうございます。あ、それだと……」

そう、それだとヴィータが余ってしまう。それはどうしようかと思っていた矢先
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