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ドラゴンクエストX〜紡がれし三つの刻〜正式メンバー版
二の刻・青年期前半
第二十八話「遥かなる故郷」
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オラクルベリーを旅立って数日後、リュカ達は森の中で休憩がてらの食事をしていた。
「そう言えばこの辺りだったな」
「何がだ?」
「…子供の頃、旅から帰る途中のこの森でスライムのピエールに出会ったんだ」
「ピエール?ああ、確か初めて仲間になったスライムだったな」
ピエールの事を思い出して懐かしそうに、それでいて寂しそうに微笑むリュカにブラウンは「ハヤク、アッテミタイ」と言い、膝の上で食事をしていたシーザーは剥れた感じで彼の腕をペチペチと尻尾で叩く。
少しばかり甘えん坊でやきもち焼きのシーザーだが、一旦戦いとなれば火の息や体当たり、噛み付きなどで頼りに成る戦力でもある。
「それに此処まで来れば夕方にはサンタローズに着けるな」
そう呟くリュカの表情は懐かしさと寂しさが半々といった感じだ。
故郷に帰れる事は嬉しいし、懐かしい人達に会えるのも楽しみだが、どうせなら父のパパスと一緒に帰りたかった、その気持ちがどうしても拭えないでいたのだから。
―◇◆◇―
そして夕暮れ時になり、村へと続く小道へと差し掛かった時にリュカは違和感に気付く。
この場所からなら時間的にも家々の煙突から夕飯の仕度などで上る煙が見える筈なのだが、その気配が無いのだ。
「お、おいリュカ」
不安になったリュカはヘンリー達を残したまま駆け出した。
この不安は気のせいだ、きっとまだ食事の準備は始まっていない、家族総出での畑仕事が忙しいのだと、あの門番が守っている村の入り口を過ぎればきっとあの平凡な日常の光景が迎えてくれる筈だと。
だがしかし……
その願いは空しく打ち砕かれた。
「そ、そんな……」
彼の目の前に広がる光景は一言で言えば廃村、彼は知らないが2年前からは幾分マシになった物の、まだ村と呼べる程の復興は成されてはいなかった。
「な、何で…、何でこんな事に?」
「貴様、何者だ!此処で何をしている!」
変わり果てた村の姿に呆然としていると誰かがそう怒鳴りつけて来た。
リュカがその声に引き寄せられる様に顔を向けると其処に居たのは一匹のスライムナイトだった。
「!!」
そのスライムナイトを見た途端、空ろだった彼の瞳は徐々に光を取り戻し、そして涙を零し始める。
何故ならばそのスライムナイトからは魔王に支配された魔物独特の邪悪な波動は一切感じられず、それどころかその気配からは懐かしさすら感じられる。
つまり、このスライムナイトは……
「ピ、ピエール?ピエールなのかい?」
「何故、私の名を?……ま、まさかそんな…」
スライムナイト、ピエールもまた言葉を失い、握り締めていた剣もカタカタと震えたかと思うとカチャリと音を立てて地面へと落ちる。
「ピ
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