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リリなのinボクらの太陽サーガ
マーダラーサーチ
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チ狂ったのか、ブーストリミットだけが特別難しくなっているんだ。まぁ普通に作っても美味しい事は間違いないけど」

「郷土料理にも色々あるんだね……。ところでロックはその……ブーストリミットの真の味? 食べた事あるの?」

「ある。昔、僕と父さんが二人で来た時に一度だけね。あれは今でも忘れられない美味しさだった。天にも昇る美味さとはこの事だと心から理解したものだ」

「ロックがそこまで言うって事は、それほどのものなんだね。なんだか楽しみになってきたよ」

「ちなみにブーストリミットのお代は1280GMPだ」

「意外と安い!? 高級料理レベルってさっき聞いたから、てっきり満漢全席ぐらいの値段が張るかもと思ってたんだけど……」

「フェンサリル料理は高級ブランド食品を使わず、一般家庭でも使われる安い食材を美味しく食べられるように考えられたものだ。真の味を求めるなら相応の腕前が要求されるけど、材料費自体は一般的な料理よりほんの少し高い程度で実質あまり変わらない」

「いわゆるちょっと贅沢したい料理って訳なんだね」

その代わり料理人の腕が試される厳しい料理であり、現在進行形で作っているリスべスをフェイトは静かに眺める。二人が話している内にリスべスは凄まじい速さで包丁を振るって野菜を刻み、それをルーを溶かした鍋に入れて塩コショウなどの調味料で味付けをする。一方で隣のフライパンにある肉から香ばしい匂いが生じてフェイトの空腹を加速させ、完成がますます待ち遠しくなる。その期待値を加速させるかの如く、リスべスは焼き上がった肉を先程の鍋の中にミックス。肉と野菜の良い所どりの鍋から幸せの香りがあふれ出し、店内に満ちていく。あまりに空腹が刺激されて無意識に涎が溢れ出そうになったフェイトは慌てて口を拭うが、そんな状態でも鍋から一時も目を離す事が出来なかった。

「……できました」

じっくりコトコト煮込んだ鍋の中身を皿に盛りつけ、彩りを増す意味も含めてグリーンハーブとレッドハーブの粉末を最後にふりかける事で料理が完成。ロックが持ってきた皿には、ビーフストロガノフとビーフシチューを混ぜたような肉料理が、食欲をそそる良い匂いとホカホカ感を醸し出していた。リスべスは面接に挑むかのごとく緊迫した面持ちでフェイトを見つめていた。

「これがブーストリミット……! もう見てるだけでお腹が空いて我慢が出来なくなってきた……!」

「冷めないうちにどうぞ、お上がりください」

そうやってリスべスが勧めてきたので、フェイトは「いただきます」と言って食べようとし……いったん止まる。

「あの……じぃ〜っと見られてると恥ずかしいんだけど……」

「気にするな」

「いや、ロックやリスべスだけならまだ耐えられるけど……ねぇ?」

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