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リリなのinボクらの太陽サーガ
マーダラーサーチ
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た。わけがわからずにきょろきょろと周りを見てから「私、何か変な事言った?」とフェイトは首を傾げる。

「……かしこまりました。オーダー、ブーストリミット一つ!」

「はいッ!」

ロックの言葉にリスべスは気合いの入った表情で強く返事をする。ゆっくりと調理場に立った彼女の姿は、まるで艱難辛苦を乗り越えた勇者が世界中の希望を背負って魔王との最終決戦に挑むかのような気迫を伴っていた。

「え? え?? 待って待って!? なんで料理作るだけで、あそこまで気合い入ってるの!?」

「説明しよう! ブーストリミットはツインバタフライの……いやフェンサリル料理の中で、最も作るのが難しい料理なのである! その難易度は針の穴を通す程度なんて生ぬるい、調味料をたった1グラム、たった一滴ミスするだけで致命的に味が落ちてしまう。要求される精密さは、いわば某シューティングゲームの死ぬがよい! まさに至高にして究極の一品なのだ!」

「なんか妙に解説口調のお客さんから説明された!? 知らなかったとはいえ、私そんな凄い料理を頼んじゃったんだ……」

「生半可な料理人にはありふれた家庭料理の味までしか引き出せないが、超一流の腕を持つ料理人が作れば伝説とまで言われるほどの味を引き立たせられる! しかし超一流として要求される腕前は某グルメ雑誌の三ツ星レストランに出せる高級料理レベル……! 当然そのレベルに達した料理人なんて世界中あらゆる場所を探しても滅多にいない! されどこの店の先代料理人、つまり彼女の母親が伝説的なレベルに達していたおかげで、俺達はその恩恵にあずかる事が出来ていた。だが残念な事に彼女は亡くなってしまい、この郷土料理の真の味を引き出せる料理人が潰えてしまったと誰もが悲観に暮れていたんだが……まさか娘もその味を引き出せる実力に達しているというのか! 娘が母親の伝説に挑む瞬間を見られるなんて、常連の魂が打ち震えるぜ!」

彼だけでなく他の客もそんなノリで見守っており、期待に応えるかのごとくリスべスの振るうフライパンから白ワインのアルコールを飛ばす炎が舞い上がった。それによって更に客が興奮の声を上げ、店内はまるで世界大会のスポーツ中継で自国に点が入った時に匹敵するほど騒がしくなっていた。

そんな奇妙な光景を前にして、なんか取り残された感覚をフェイトは抱き、おずおずとロックに話しかけた。

「あ、あのさぁ……それほど難しいなら、そもそも日替わりメニューにしていい料理じゃないよね? ここの日替わりメニューって地球のファミレスみたいに安く済ませられる定食じゃなくて、難しい料理のオンパレードだったりするの?」

「違う。ここの日替わりはフェンサリル料理を用いているが、本来は一般家庭でも作れるものばかりだ。ただフェンサリル料理の最初の調理師は何をト
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