マーダラーサーチ
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、ちょっと気分転換がしたくてついね。まぁ最近色々問題が出てきた管理局だが、それでも真っ当な部分はちゃんとあるんだ。そこを信じてもう少し頑張ってくれないか?」
「隊長が心配しなくても、私はまだ辞めませんよ。まぁ、あまりに救いようが無い程腐敗してしまったのなら自主的に退職しますが、今はまだ大丈夫です」
「そうか、少し安心した」
あれからこんな感じでフェイトの意識をそらしているアーネストだが、強引に話題を変えるネタがそろそろ尽きかけているため、最近はハウツー本などに手を出している。ちなみにアーネストの興味は主に旅行記や観光パンフレットで、読んでいく内に旅願望のような感情が芽生えており、実は辞める云々の話は本人にも向けられていた。尤も彼は人を守る責任感があるため、現状では本当に辞めるつもりは無かった。
「はぁ、またか……」
「またってことは……例の事件ですか、カイ副長?」
「ああ、これでとうとう8人目だ。いい加減犯人を捕まえたい所だが、かなりのやり手なのか容姿すら判明していないからな……」
「しかもここにいる局員のほとんどは治療中で、自分達も含めて動ける局員は大抵その穴埋めにかかりっきりですしね……人海戦術が使えないのは痛いです」
隣で話題にされている事件のことは、フェイトも一応知っていた。ここ最近、ノアトゥンでは猟奇殺人事件が多発しており、市民や局員を問わず8人もの人間が身体を食い千切られたように見るも無残な姿で発見されている。この世界では軍事的な面が強いものの、管理局は一応治安組織なので無事な局員が犯人の捜査を行っているのだが、相手が不意打ちか暗殺の手練れなのか、調査の進展すら出来ていないのが現状であった。
「もう誰一人犠牲を出す訳にはいかない、しかし大人数を動かせる余裕が無い。困ったものだな……」
「あの……副長。その事件、私が調べても構いませんか?」
「特務捜査官がか?」
「はい。殺人を犯している人を未だに野放しにしておくのは市民達に大きな不安を与えるでしょうから、一刻も早く解決して安心させたいんです。この世界の人達にとって私達は侵略者も同然ですが、だからこそ贖罪の意も込めて彼らの安全に尽力すべきだと思っています」
「なるほど、その精神は立派だ。しかしこれまでの被害者の状況を鑑みると、どれも日没後に一人で居た所をやられている。だから単独でかかるのは危険だ。確かに高ランク魔導師のお前なら正面から戦いさえすれば犯人を返り討ちに出来るかもしれないが、我々の立場上万が一という事もある。特務捜査官の権限を持ち出そうが、この事件の調査を行うならそれなりに戦える同行者を連れてからにしろ」
「では118部隊の誰かが同行してくれたりは……」
そう呟いたフェイトは少し視線を動かすと、諦め混
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