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リリなのinボクらの太陽サーガ
マーダラーサーチ
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が叶わないのも全員わかっているから、何とも言えないやり切れなさがあった。

「……おおっと、いけない。本題をやる前にネガティブモードになったら、いざという時に動けなくなっちゃう。さっさと本題に戻ろう」

「本題っつっても、姉御は犯人をどう見つけるつもりなんだ? なんか作戦の一つや二つ用意してるんだろ?」

「正解。そもそも犯人を見つけ出す罠の準備はもう終えている。後は引っかかるのを待つだけだよ」

「罠?」

フェイトがそう聞いた次の瞬間、どこかでバシュゥ! と何かが爆発して空気が抜けるような音が響き渡った。

「お、早速かかった! 行くよ!」

瞬時に反応したマキナは端末で位置を確認し、アギトとユニゾンして現場へ走り出す。アギトがリインと同じユニゾンデバイスだった事の驚きや反応の速さで出遅れたフェイトは、慌てて彼女達の後ろを追走する羽目になった。

「ね、ねぇ! 今の内に聞きたいんだけど、どんな罠を仕掛けたの!?」

「アウターヘブン社製作の装備、スタンデコイを設置して魔力を付与させたのさ。スタンデコイは攻撃してきた敵に電撃を放つんだけど、威力はせいぜい人間を気絶させられる程度。それにただの道具に過ぎないから魔力反応なんて無い。だから魔力を付与することで、犯人の魔力探知を騙そうと思ったわけ」

「こういう話を聞く度に思うけど、アウターヘブン社の装備ってホント便利だよね……」

つくづく管理局は装備品に恵まれていないと嘆くフェイト。デバイスの強化や魔法の開発も良いが、今後はこういうサポートウェポンにも力を注いでほしいと思った。

それはともかくマキナは遠目で首の部分が切れて風船がしぼんだデコイを発見、近くに犯人がいるはずだと見てレックスを構え、警戒を強める。フェイトも何か得体のしれない存在の気配を感じ、バルディッシュを展開して身構えた。

そこはB区画の大通りで、周りには一般市民の住むマンションや備え付けの駐車場などが点在しており、過去の殺人現場である路地からはそれなりに距離があった。事件の事もあってこの時間帯は一切人気が無く、犯人が現れる条件は整っていた。そして……、

「アァ……! オォォ……!」

マキナの読み通り、唸り声を上げて犯人はそこに現れていた。

頭から足までが血を浴びたかのように真っ赤に染まり、右手に肥大化した骨が露出して刃のごとき鋭さが見て取れる。デコイからの電撃を喰らったせいでまだ動けないのか、今にも襲い掛かってきそうな目付きで睨む赤い眼に、骨ごと噛み千切れそうな鋭い牙。潮の臭いが漂う女性服に、異常なまでにボロボロの猫耳と猫尻尾。周囲に浮かぶ黒く変質した魔力光と、髑髏が纏うのと同じような光を放つ“虫”……。

「なるほどね。猫の使い魔にスカルフェイスの“虫”を寄生させた
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