マーダラーサーチ
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いや、捕まらないために常に移動しているのかも。でも犠牲者の返り血を浴びた姿で外を出歩いてたら、普通に考えればとっくに通報されてるよね……」
そう呟いたフェイトは次の現場に行こうとする――――刹那、バルディッシュを鎌状に展開して袋小路から飛び出し、物陰から彼女を見ていた何者かに刃を突き付けようとする。対する相手も気付かれたと判断した瞬間、フェイトの胸倉目がけて左腕を伸ばし、咄嗟の判断でフェイトはその腕から逃れようとバックステップする。互いの初手が空振りに終わった直後、フェイトはバルディッシュを、敵は銃を手にそれぞれ相手の頭部に突きつけ……、
「……え? マキナ?」
「なんだ、フェイトだったんだ」
なぜか聖王教会の修道服を着ているマキナを見てフェイトは一瞬だけ混乱したものの、とりあえず今の攻防が自らの勘違いによるものだという事は理解した。双方共に一呼吸置いてから緊張を解き、そっと武器をしまう。
「いきなり誰かの足音が聞こえたものだから、髑髏かと思ってつい警戒しちゃってね。ごめん」
マキナは苦笑交じりに謝罪する。互いの境遇的に警戒するのはしょうがないと考え、フェイトは「お互い様だよ」と言って許した。
「まさかこんな時にこんな所でマキナに会えるなんてね。聖王教会に潜入してから、一体どういう経緯でここに来たの?」
「あんまり言いたくないけど、有り体に言えば……敗走って奴かな」
「え……待って!? 敗走ってどういうこと!?」
「この事態の元凶とばったり遭遇して、そいつが引き連れていた髑髏数体相手に奮闘したものの、力及ばず敗北。殺されかけた所をある人に助けられて、知り合いの所に匿ってもらったのさ」
「あの髑髏と戦ってたなんて……! 私達の知らない所で、大変な目に遭ってたんだね……」
「まぁ危険な目に遭った分、それなりの収穫があった。確かニッポンではこういうのを、虎穴に入らずんば虎子を得ずって言うんだっけ」
間違ってはいない、とフェイトの同意を得てマキナは安堵の息を吐く。なお、手痛いしっぺ返しにやられてファントム・フォームを使うなんて無茶をした事はジャンゴ達に伝えはしても、フェイトにまで教える必要は無いと考えていた。
「ところで……何でカソックなんて着てるの? PMCからシスターに転職でもした?」
「してないしてない。管理局の目があるノアトゥンだと、いつものスニーキングスーツでいるよりこの格好の方が目立たないからだよ。実際、管理局フェンサリル支部にもこの格好で何度か潜入してるし、例のプログラムの被害でゴタゴタしてるおかげで胸張って堂々としてれば案外気にされないもの」
「えっ!? いつの間に潜入してたの……というか管理局の情報ダダ漏れじゃん……」
「行ったら行った
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