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リリなのinボクらの太陽サーガ
マーダラーサーチ
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ようなものも聞こえたとか」

「馬……? この世界に馬を連れている人は見た事が無いから、もしかしたら厚底の靴が立てた音がそれっぽく聞こえただけかもしれない。風切り音は気になるけど、何が原因かは調べてみないと見当がつかないや。それじゃあ次の質問だけど、さっき言ってた恩人が今どこにいるかわかる? もしかしたら犯人に関わる情報を何かしら掴んでるかもしれない」

「う〜ん、流石に今どこにいるかまではわかりかねます。通信も着信音で犯人に気付かれる可能性があるとの事で使う訳にも参りませんし……。しかし現場を調べると仰っていたので、どこかの殺人現場を調べている可能性は高いと思います」

「確かに現場の調査は基本中の基本だよね。わかった、早速調べてみるよ」

という事でお代を払ったフェイトはツインバタフライを出て、これまで被害者が発見された現場を調べに向かった。その後ろ姿を赤髪の少女―――アギトは「そこまで急がなくてもここで待ってればじきに帰ってくるのにな……落ち着きのない奴」と、呆れた表情で一瞬見つめてから皿洗いに意識を戻した。





「えっと最初の犠牲者は……ここで発見されたんだっけ」

そこはA区画の一般路。街の通路ど真ん中であるため、周囲には立ち入り禁止のテープが張られている。テープで囲われた場所には、大量に流れ出した血の跡と犠牲者が倒れていた形の線が引かれていた。

「死体を直接見た訳じゃないけど、報告通りならこの出血量も当然か。犯人は武器に殺傷設定の強化魔法を付けてるのか、もしくは私達の知らない殺傷武器を使ってるのかもしれない。少なくとも魔導師のバリアジャケットを破る力がある事は確かだろう」

次の現場はB区画の路地。人通りは少ないものの、現場にはA区画のと同じような処理が施されているが、地面に何かが刺さったような穴が深々と残されていた。

「この傷は犯人の武器を想像する材料にはなるけど、いかんせん私達はデバイス以外の武器には疎いから穴だけ見てもね……。拳銃などの質量兵器関連ならアウターヘブン社の人に聞けばある程度特定してくれるけど、今はいないしなぁ」

次の現場はC区画の公園。噴水があって普段は市民たちの憩いの場として使われているのだが、今は事件を恐れて誰も近づかず、公園内は閑散としていた。

「事件が起きる場所に制限はないみたい。言い換えれば犯人はノアトゥンのどこにでも現れるってことか……神出鬼没で場所を絞れないのは厄介だ」

次の現場はD区画の袋小路。いつもはガラの悪い連中がたむろってたりするここでも、流石に事件が起きてからは寄り付かなくなっていた。

「どの現場も妙に離れているせいで、移動に時間がかかっちゃうのは少し面倒だね。……もしかして、殺人現場が近くにある場所では犯人が現れなくなる? 
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