マーダラーサーチ
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に来てくれたおかげです! 本当に……ありがとうございます!」
涙混じりにリスべスがお礼を告げ、客たちも歓声を上げた。世界が色々ややこしい状況になっていようと、今この瞬間、ツインバタフライの中は笑顔で溢れていたのだった。
「ごちそうさまでした」
「おそまつさまでした」
至福の一時を堪能したフェイトはホクホク顔で食後の挨拶をする。正直、フェイトが想定していた味をはるかに超えた美味しさだったため、意識が若干トリップしていたものの、この料理には凄まじく満足していた。
店内の客もある程度帰ってまばらになり、ロックと赤髪の少女が大量の皿を洗っている。落ち着いた雰囲気の中、フェイトは昼の修羅場を乗り越えて一休みしているリスべスに世間話を持ち掛けるように話しかけた。
「あのさ、リスべス。あの赤い髪の子は?」
「彼女は私の命の恩人の友人ですよ。名前はアギトと言って、諸事情でここに滞在させています」
「へぇ〜……え、命? リスべス、大怪我した事あるの?」
「はい。前の紛争の終期に事故に巻き込まれまして……瀕死の重傷を負った所をその人に助けてもらいました」
「そうだったんだ。……ねぇ、その人はどこで何をしてるの?」
「最近起きている物騒な連続殺人事件を、私達に代わって調査してくれています。仮にも治安組織である管理局のお株を奪うようですが、実際、管理局はあまり治安に貢献していないので頼ろうにも正直不安が拭い去れません……」
「うっ……! べ、別に管理局だって何もしてない訳じゃないんだけど、事件が解決出来ていないから、そう言われるのもしょうがないかも……。……うん、やっぱりこんな事件は誰だって早く解決してほしいと思うよね。……わかった、私に任せて!」
「はい?」
「今、管理局で事件の解決に動ける人はほとんどいない。でも私の立場は特務捜査官と言って少し特殊だから、ある程度の自由行動は許されている。副長は一人でやるなと言ってたけど、少しぐらいなら大丈夫だよ」
「そうですか……事件を解決してくれたら私達も大変ありがたいのですが、本当に大丈夫なんですか?」
「心配しなくても、私なら敵がそれなりに強くても一人で勝てるよ。最近はなんか黒星が多いけど……まぁ問題はないから!」
「……わかりました。若干の不安が残りますが、そこまで仰るなら私達も事件の解決を望む一市民として協力します」
「ありがとう。じゃあ早速だけど、何か怪しい姿を見たとか変な物音を聞いた、などの情報は無い? 街の些細な変化とか、何でもいいから教えてくれるかな?」
「そうですねぇ……以前、店にいらっしゃったお客様が、最近街で妙に鋭い風切り音が聞こえると仰っていました。他にも馬の足音の
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