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ウルゼロ魔外伝 超古代戦士の転生者と三国の恋姫たち
ルーク、天和と出会うの事
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せたんだけど、ちーちゃんと人和ちゃんが、騒ぎに巻き込まれちゃって…」
そのちーちゃんと人和ちゃんとは、天和の妹たちの名前らしい。
「でも、きっとどこかで生きてるって信じてる。だから大陸を渡って、二人のことを聞いて回ってるの」
戦争ではぐれてしまった肉親を探しても、死ぬまで会えないままなんてことはありえないことではない。それでも天和の意思は強かった。なんとしても妹たちと再会するというその意識の強さに、ルークは関心を覚えた。
「ルークにも家族は居るんだよね?ちゃんと会えたらいいね?」
「…ああ」
天和のその一言に、こうも考える。彼女は妹たちとはなんとしても会うという強い目的意思を持っている。だが一方でルークの心には、ある不安がよぎっていた。
そう、故郷に帰れるかどうか…ということだった。
結局自分の故郷について、天和は聞いてこなかった。珍しい身なりの迷い人兼恩人、もとい護衛として捉えていたが…一人異世界に突如放り込まれてしまった不安は拭えない。
(…俺は、トリステインに戻れるのか?この世界はどう見ても、異世界の存在自体知らないままの世界に違いないし…)
つまり、元の世界に戻る術など、この世界で見た街の文明レベルから見れば、絶望的だった。一体、メカの一つもないこんな旧文明ぶり満載なこの世界に、どうやって別の世界に旅立つ手段があるというのだ。
(くそ、何で俺がこんな目に…あの糞犬眼鏡…次にあったら絶対にボコしてやる…!)
自分は、確かに問題行動は多かったかもしれないが、決して悪意があったつもりでやったわけではない。寧ろ、いまだに差別意識を抱く奴や、悪意を持って人に害をなす悪党を懲らしめていただけじゃないか。自分でさえ、疎ましく思うことのあるこの力を、あえて有効活用していた…ただそれだけだ。
その怒りの矛先を、自分を襲ってきたあの白装束たちと、それを率いていた眼鏡の男に向けた。
ふと、眼鏡の男のことを思い出して、気になることを思い出す。自分を拘束した際に奴が発した言葉だ。

『たとえウルトラマンの血と力を受け継いで生まれたあなたでも』

俺が……ウルトラマンの…なんであいつがそんなことを知っているんだ。会った事もないあの男が…なぜ?
そもそも真実なのか…と疑ったが、証拠として当てはまりそうな要素があることに気がついた。それは、自分がどういうわけか生まれもって手にしていた、この異常な身体能力。
その理由が、ウルトラマンというキーワードと密接な関係にあるとしたら…。
(お袋はこのことを知っていたのか?俺の体に備わっているこの力の秘密を…
仕事を言い訳にあちこち回って…俺に一体何を隠してやがる…!?)
くそ、変な奴に襲われるわ、そいつのせいで怪獣たちが故郷で暴れるわ、おかげで異世界に飛ばされてしまうわ…元から抱えていた悩みも含め
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