ターン51 冥府の姫と白き魂
[8/10]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
れる?知れたことだ、その名の示す場所はただ1つ。何もない空間にひびが入り、粉々に砕けた世界の向こう側には1つの門。その扉がゆっくりと開くと、向こう側の世界に溢れていた大量の瘴気が現世へと溢れ出る。そして、その向こうに巣食っていた冥府の龍もまた目を覚まし、新たな獲物を求めて冥府の門を超える。
冥界龍 ドラゴネクロ 攻3000
ドラゴネクロは戦闘で相手モンスターを破壊せず、代わりにその魂を抜き取って自らの戦力とする特殊能力を備えている。カオス・MAX・ドラゴンにでも自爆特攻を行い、攻撃力4000ものダークソウル・トークンを呼び出せば勝利は確定する……そこまで考えたところで、もう1枚残った手札に目が行った。このまま攻撃すれば勝利は確定している以上、わざわざこのカードを使う意義はどこにもない。ない、はずなのに。
「はあ、はあ……」
「うん?なんだってんだ……?」
息が荒くなる。頭が、締め付けられるように痛む。自分の中の何かが、このカードを使えと言っている。その衝動は収まるどころかどんどん強くなっていき、それに伴い次第に意識が遠くなっていく。そしてついに、その時が来た。
「お、おい……」
突然の異常に何かを言おうとした男の目が、驚愕に染まった。一瞬の沈黙ののち、ゆっくりと歓喜の色がその顔に広がっていく。彼が見たものは現実なのか、それとも大量出血による衰弱が見せた死の淵の幻影なのか。
「私は魔法カード、アドバンスドローを発動。レベル8以上のモンスター、ドラゴネクロをリリースすることでカードを2枚ドローする!」
喋っているのもそこにいるのも、間違いなく河風夢想だ。だが、低レベルが身上のワイト使いである彼女のデッキにレベル8以上のモンスターを要求するアドバンスドローの入る余地などあるのだろうか?少なくとも彼女自身に、そんなカードを採用した覚えはない……では、今デュエルしているのはいったい誰なのか。今使われている手札は、そしてその腕に装着されたデッキは一体誰のものなのか?
「フィールド魔法、ダークゾーンを発動!この効果により闇属性モンスターの攻撃力は500ポイントアップし、守備力は400ポイントダウンする」
いまだ開き続けている冥界の門から流れてきた瘴気は世界を埋め尽くし、先ほどまで晴れていた空も凪いでいた海も地獄と見まごうほどに荒れている。そんな中3体の青眼のみが、まるでそれに反抗するかのようにいまだ変わらぬ光を放っていた。
デビル・フランケン 守500→100 攻700→1200
ブルーアイズ・カオス・MAX・ドラゴン 攻4000→4500 守0
「チューナーモンスター、劫火の舟守 ゴースト・カロンを召喚!」
木製の船に乗った、現世と地獄を隔てる川を繋ぐことのできる力を持っ
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ