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遊戯王GX〜鉄砲水の四方山話〜
ターン51 冥府の姫と白き魂
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広げ大空へ飛び立つ。雄大に宙を進む竜は輝きながら天高く昇って行き、天頂に達したところでその動きを止め……そして、またもや光が弾けた。やがて空の色が元に戻った時にはもはや究極竜の姿はどこにもなく、そこにいたのはより高次元の存在となった龍。シルバーメタリックの体は動かない太陽の光を反射して神々しく輝き、胸の部分に新たに加えられた澄んだ青い水晶体はそれ自体が呼吸しているかのようにその蒼の深みが刻一刻と変わっていく。

「このモンスターの攻撃力は、俺の墓地のドラゴン族1体につき300ポイント上昇する」

 青眼の光龍 攻3000→4500

 今この男の墓地に存在するドラゴン族でその存在が確認できているのは伝説の白石と太古の白石、青眼の白龍と青眼の究極竜の4体。恐らく、手札断殺の際手札から太古の白石と同時にもう1体別のドラゴンを墓地に送っていたのだろう、と頭の中で見当をつける夢想。あの新たなるドラゴンには、手札1枚を消費してさらに究極竜を墓地に送るだけの隠された効果があるのだろう……と、そこまで予想する。

「手札から、青眼の(ブルーアイズ・)亜白龍(オルタナティブ・ホワイト・ドラゴン)の効果発動!このカードは通常召喚できず、手札の青眼の白龍を相手に公開することで特殊召喚できる!」

 海を割りその中から水柱と共に舞い上がる、第3の龍。一時休戦の生きているターンだからかろうじてその攻撃は抑えられるが、この先それが続く保証は……ない。

 青眼の亜白龍 攻3000

「ダメージが通らないんじゃな。ターンエンドだ」

 攻撃力4500の光龍に4000のカオス・MAX、そして3000の亜白龍。それぞれいまだその効果を明らかにしてはいないが、そのどれもが一騎当千の圧倒的な力を持つ、いずれ劣らぬ化け物ぞろいであることはこのソリッドビジョンであってもなお衰えない全身から立ち上るプレッシャーからも見て取れる。
 そしてそんな威圧感を前にして、彼女は畏れるのではなく、ただの少しも気負わずに。果たして本人も気づいているのかいないのか、その口元をうっすらと、強者と出会えた喜びに綻ばせすらしながらに。

「私の、ターン。……ドロー!だって」

 何の躊躇いも起こさずに、ただ自らの前に広がる勝利のみへと手を伸ばす。

「魔法カード、龍の鏡(ドラゴンズ・ミラー)を使うよ、ってさ。墓地のモンスターを素材として、ドラゴン族の融合モンスターを呼びだすカード……私はワイトキングと龍骨鬼、この2体のモンスターをゲームから除外。冥府の扉を破りし者よ、其には死すらも生温い……融合召喚、冥界龍 ドラゴネクロ」

 空が割れて、青眼の光龍が舞い降りた。大地が割れ、カオス・MAXがその姿を見せた。海が割れ、亜白龍が現世に現れた。ならば、冥府の龍はどこから現
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