暁 〜小説投稿サイト〜
遊戯王GX〜鉄砲水の四方山話〜
ターン51 冥府の姫と白き魂
[5/10]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
なモンスターが相手の場に居ようとも、こちらから攻撃目標を送り出してしまえばその守りは一瞬で瓦解する。彼女にとって大切なのは乙女を処理することではなく、終末の騎士を送りつけること。攻撃力1400の終末の騎士では、7000もの一撃には耐えきれない。

「なるほど、そう来たか」
「……?」

 だが、男の表情にいまだ絶望や焦りといった色は浮かんでこない。恐らく、あの1枚だけ存在する伏せカードにその秘密があるのだろう……が、さすがの彼女も伏せカードが怪しいからといって即座にそれを破壊できるカードが引けるわけではない。いつまでも残しておくよりは、いっそ今使わせる方がいいだろう。彼女の決断は早かった。

「バトル、だって。ワイトキングで、終末の騎士に……」
「リバース発動、ホーリージャベリン!相手モンスターの攻撃時、その攻撃力はそのまま俺のライフに加算される!」

 ワイトキング 攻8000→終末の騎士 攻1400(破壊)
 男 LP4000→11000→5400

 ワイトキングの拳は半透明な光の壁によって遮られ威力を減衰し、そこから伝わるエネルギーが生命力となって辺りに満ちていく。一撃でゲームエンドまで持ち込むことも可能な大火力が、むしろ足を引っ張る結果となったかたちである。
 そしてこのターンで決め切れなかった以上、夢想の場には彼女にとってはなんの役に立たない乙女と、一応戦闘破壊時に蘇生できる効果こそあるもののここまで成長した今となってはそんな耐性もないよりはマシ程度の役にしか立たない打点一本のワイトキングしかいない。少しためらった末、ここは安全策を取ることにした。

「魔法カード、一時休戦を発動。デッキからお互いにカードをドローして、次の貴方のエンドフェイズまであらゆるダメージは0だってさ。私はこれでターンエンド、だって」
「おっと、ならエンドフェイズに墓地から太古の白石(ホワイト・オブ・エンシェント)の効果発動だな。もうひとつの青眼の卵たるこのカードは墓地に送られたターンのエンドフェイズに孵化し、デッキからブルーアイズと名のつくモンスター1体を特殊召喚する効果を持つ。俺が呼び出すのは本家本元、青眼の白龍!」

 瞬間、止まった時の中で無音のうちに光が爆発する。その一瞬後、轟く羽音とともに伝説とまで呼ばれる龍……その姿が、アカデミアの空を彩った。

 青眼の白龍 攻3000

 男 LP6400 手札:5
モンスター:青眼の白龍(攻)
魔法・罠:なし
 夢想 LP4000 手札:1
モンスター:ワイトキング(攻)
      青き眼の乙女(攻)
魔法・罠:なし

「さて、俺のターンだな。魔法カード、トレード・インを発動。手札にいるさっきサーチした青眼をコストに、カードを2枚ドローだ。よしよし、デビル
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2025 肥前のポチ