暁 〜小説投稿サイト〜
世界最年少のプロゲーマーが女性の世界に
17話
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る。……だがそれを行うには大きな壁が存在している。

 衝撃砲、別名龍砲。

 空間そのものに圧力をかけて砲身を生成し、生成で生み出した衝撃をそのまま砲弾化して撃ち込む。セシリアさんのブルーティアーズと違ってこいつの厄介なところがある。
 砲身も砲弾も目に見えないことだ。発射のタイミングも弾速もその軌道も分からない。おまけに砲身の斜角は全方位に向けれて、とどめに燃費も良い。射線が直線的なのは救いだと思いたいが、これだけ揃っているのなら正直弱点にも思えん。

 これに加えて大型の青龍刀である双天牙月。これを十二分に活かせるだけの近接スキルと身体能力の高さ。これらを支える異常なまでのスタミナ。ダメ押しと言わんばかりにメンタルの強さも特筆すべき点であろう。中国という競争が激しい場所で戦い続けてきたのであれば、生半可なプレッシャーなど逆に仇になりかねない。

 甲龍の燃費の良さと相まって、長期戦においては無類の強さかもしれない。

 必然的に一夏さんが勝つための戦略は固まる。

 敗北覚悟、リスク上等の短期決戦あるのみ。時間が経てば経つほど、一夏さんの勝ちの目は無くなるのが容易に想像出来る。

 幸い、試合までの時間はまだある。この時間をどれだけ活かせるか。

 色々と考えていたらアリーナ周りの観客席に到着していた。今日は参加出来ないと伝えていたためピットやアリーナには直接向かわず、観客席に向かっていた。1度外から一夏さんの動きを見たかったというのもあるが、1番大きな理由としては身体の調子があまり良くないからだ。

 一夏さんと戦い保険室でセシリアさんと話した日から、僕の身体は重く感じることの方が多くなっていた。原因は未だに分からない。でも、確かに身体の調子は良くない。動いてくれるしトレーニングにもついていけてるが、時折、意識と身体のズレを感じることが日に日に大きくなっていた。

 観客席には一夏さんを見に来ていた女生徒たちの姿がちらほらと見える。観客席の1番上から1番下、アリーナに近い席に向かって階段を降りていく。降りていく途中で女生徒たちの小声が聞こえてきたが、雑音と判断して歩みを進める。

 アリーナに近づいていくに連れて3人の声が聞こえてくる。何かを言い合っているようだった。いや、3人だけではなく今日は他にもう1人加わっているようだった。

 この声は鈴さんか。

 僕が観客席からアリーナを見ていることに気づいた一夏さんが困ったような顔でこっちを見た。その表情からは、目の前の問題に対して自分では手に余しているようだった。……ホントに何があったんだろう。

 オープンチャンネルで4人に話しかける。内容はどうあれ、トレーニングを中断するような所業は放置しておくわけにはいかない。唯でさえ時間を無駄に出来ない
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