第39話 傍観する狂王、蹂躙する銀狼
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だろう。彼の顔は汗だくで、肩で大きく息をするほどだった。だが彼にはそんな汗を気にしている余裕は無かった
何故なら……
『準備はいいか?人斬りよ』
「ッ!!」
突然彼の近くの何もない空間から画面が浮かび、1人の男が写っていた。熊の毛皮を頭から被り、顔を隠している謎の男…クマだった。相手がクマだと分かっていたのか彼は射殺さん限りの形相で睨むが当のクマはどこ吹く風のようにアッサリと受け流していた
『そんな怖い顔をするな。今の貴公と我々は“協力関係”にあるんだ。少しは落ち着いたらどうだ?』
「どの口がそんなことを言う!!」
普段の彼なら決してそんな荒げた言葉は出さなかった。
あの狂った幕末の時代から二度と人を斬らない誓った彼にとっては身が裂ける思いだった。しかしクマはそんな彼の事情など知った事じゃないという態度で淡々と切り捨てる
『我々は事実を言ってるだけだぞ?我々は死にかけていた貴公の大切な人の保護兼護衛。そして貴公は我々の助っ人として剣を振るってもらう。無論貴公の武器は勿論、体調管理も我々が責任を持って管理するとな…あんなナマクラでは貴公の身が危ない。故に護身用としてあの刀を貴公に与えたのだぞ?』
「ぐ……っ!!」
『それよりも今の貴公の任務を忘れていないな?貴公が人斬りを辞めて約10年…今の貴公の腕を知る為に“あのお方”は今回は温情を込めて今戦場に出ているリオン殿の部隊の援護に回ってもらう……あまり“あのお方”を煩わせるなよ?貴様が人を斬る事に駄々をこねるためにヌルイ命令を出したのだ。こんな命令は今回限りだと肝に銘じて置けよ?』
「わかっている…」
『本当か?まぁいい。せいぜい貴様の大切な人間のために剣を振るってもらうぞ?』
『人斬り抜刀斎』
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