第39話 傍観する狂王、蹂躙する銀狼
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だけど、貴女のお仲間はそれどころじゃないみたいよ?」
「何………ッ!?」
そう言ってリオンが見ている視線をシグナムが合わせるとその視線の先にいたのは
「ぐるぅぁあああああああああああっ!!」
「ぐっ…!てぇおぉぉぁあああああああああっ!!」
「ふっ!!がああああああああぁぁっ!!」
「ぐぁああっ!!」
白銀の狼が蒼い獣の耳を持つ褐色の肌の獣人の男を蹂躙し、彼の反撃を簡単にかわしながら擦れ違い様に白銀の獣の牙によって血塗れになっていっている
「ふぅ、ふぅ、ふぅ、ふぅ、ふぅ、ふぅ、ふぅ、ふぅ………」
「ぐるるるる…………」
人間形態で戦っているが、全身傷だらけの上に血塗れとなり、息を切らして満身創痍状態になっている蒼き狼と事実上無傷の状態でも唸り声を上げながら警戒を解かない白き狼。現状はザフィーラの方が圧倒的に不利だった。
それでもザフィーラは諦めることなく戦いの姿勢を崩さなかった。しかし白銀の獣……銀牙はつまらないモノを見るような視線をザフィーラに向けた
そんな視線に気づいたザフィーラは銀牙を睨み返した。先程の戦いに“ある事”に気付いた彼は怒りを込めた視線を銀牙に叩き付けた
「貴様……一体何のつもりだ?」
「ザフィーラ?」
「…………」
ザフィーラの言葉がヴィータの耳に入ったのか彼女は眉をひそめた。その疑問の答えは直ぐに出た
「何故手を抜いている?」
「な!?」
ザフィーラの言葉にヴィータは信じられない感情で一杯だった。ザフィーラは攻撃力を見ればシグナムやヴィータには劣るが、体術、防御力は間違いなくヴォルケンリッターでもトップクラスの実力者。そんなザフィーラを相手に手加減をしていたというあの白い狼の底が知れない事にヴィータは戦慄を覚えた。
「おいどういう事だよザフィーラ!!この狼が手を抜いてるって!?」
「ああ、初めは気付かなかったが途中から違和感を感じてな。最初我に後ろからの奇襲を仕掛けて来た時の鋭さと比べると劣っていると感じたのでな。だから聞いてみたのだ」
「マジかよ……」
先ほどの戦いの感想を述べるザフィーラの話を聞き、そんなザフィーラを相手に底の知れない戦闘力を見せる銀牙にヴィータは戦慄を抱かずにはいられなかった。
すると次の瞬間…
「……当然だ。己が牙で戦おうとしない獣など、俺から見れば畜生にも劣るからな」
「な!?」
突然の声に驚きを隠せなかった。それも今まで人の言葉など喋らなかった白い狼の銀牙が普通に喋っているのだ。そんなヴィータを余所に2匹の獣は睨み合いながらも、ザフィーラは銀牙の言葉に疑問をぶつけた
「今の
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