第39話 傍観する狂王、蹂躙する銀狼
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らの言伝を預かっているのです。故に……」
「『故に今回は高みの見物に徹しろ』……と、“あのお方”がそう仰ったのか?」
「その通りです」
「「……………」」
言葉だけなら何も無いただの会話だが、今のライゼルの瞳には戦いに参加しようと勢いを付けた所で水を差された故に、凄まじい怒気が籠っていた。目に映る全てを殺し尽くさんばかりの濃密な怒りと殺気が彼らの空間に満ちていた。ライゼルの弟分である仁九朗と又兵衛は何とか立っているが、気が弱い者ならライゼルの殺気だけでショック死しかねないほどだった。そんな緊張感はほんの数秒が数時間に感じるほどだったが、次の瞬間にはライゼルの濃い殺気は霧散した。
「ふう……仕方ない。些か不満だが、“あのお方”からの命ならば従わない訳にはいか無いな……」
「貴公の決断に感謝します…」
「ただし、更に敵の援軍が来た場合は戦闘に参加させてもらうぞ?」
「それで十分です」
「フン。それで、何故我々が出る必要が無いと?このままではリオンが不利な状況に追い込まれるぞ?」
「それこそ無用な心配です。今こちらからも援軍を送ったのですから」
「ん?と言う事は先程の気配は……」
「はい。どうやらクマ殿が連れてきた“助っ人”のようです。今回はその助っ人の力量を計る為らしく、誰も邪魔をするな……ということです」
「ほう?あの“クマ”がそこまで言う人材か……」
クマのことを信頼している為か関心する様なライゼルの呟きは白夜の耳に届く前に夜風に?き消されたが、彼の視線は新たに現れるという助っ人のほうに向けていた
街に張られた結界が破壊される数分前……
−−−ギィンッ!ガキンッ!!ギギィンッ!!!−−−
「ハァァァァァァァァァァッ!!!」
「オォォォォォォォォォォッ!!!」
戦場のほうは苛烈の一言に尽きるものだった。烈火の将と夜叉姫の剣のぶつかり合いは凄まじく、僅かでも隙を見せれば勝負はすぐに決まるぶつかり合いだった。どちらも確実に急所を狙った一閃を走らせながらも紙一重でかわし、再び剣をぶつけ合う2人
「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ…………」
「ふぅ、ふぅ、ふぅ、ふぅ…………」
数百回にも及ぶ死合でシグナムもリオンも肩を大きく息し、しかし何処かか満足しているのか双方の顔は喜びに満ちていた
「まったく……私はさっさと本部に帰りたいんだけど、何故かしらね、烈火の将さん……貴女との戦いはとても楽しく感じるわ」
「ふふふ……それは光栄だな。彼の夜叉姫にそう言われるとはな……」
「そう言ってる所悪いん
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