第39話 傍観する狂王、蹂躙する銀狼
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クロノを中心とした管理局の魔導師チームとシグナムがリーダーの闇の書の守護騎士たちが一時的に協力し、謎の少女リオンが率いる謎の部隊…『ラスト・トレイター』との戦闘は激しさを増した。その中でも特に代表格のシグナムとリオンの戦いは更に苛烈を増し、2人の剣戟は激しさを極めていた。そんな戦いを遥か遠く高いビルから眺めている者たちがいた。
「へ〜〜あれが噂のヴォルケンリッターのリーダーで、“烈火の将”って呼ばれた騎士シグナムか……にしても、あの“夜叉姫”と畏れられてるリオンの嬢ちゃんとあそこまでやり合えるたぁね………」
上下の迷彩服を着こなし、ライフルやナイフを装備した猫耳と2本の尻尾を持つ少年…又兵衛が双眼鏡で戦いの様子を見学し、シグナムの戦闘能力を高く評価する。
「いや、闇の書の守護騎士たちは見た目こそ若いが、あれでも何百年とあらゆる世界へと渡り、様々な戦場を駆け抜けた歴戦の猛者たちだ。むしろその猛者を相手に渡り合っているリオン殿が異常なのだ」
しかしそれを根本から否定し、シグナムよりむしろ、その彼女と対等に戦うリオンに一種の戦慄を抱くのは腰まで届く漆黒の長髪、紺色の僧侶の服を纏い、腰に刀、背中に槍を装備して顔は鴉のような黒い嘴の形をした黒い面を付ける男……仁九朗はシグナムよりリオンに対して強く警戒していたのだ
そんな仁九朗に対して又兵衛は苦笑しながら兄貴分の仁九朗に呆れた言葉を返した
「オイオイ仁の兄貴…いくらなんでもそれは言いすぎだろ?確かにリオンの嬢ちゃんはトンデモない才能の塊だけど俺たちの味方だぜ?何をそんなに……」
「まだ分らんのか又兵衛?あれほどの実力を持ちながら彼女は未だ発展途上……即ち成長段階の途中だ。それも戦いの中で成長するタイプで、特に命を懸けた戦いを経験した彼女はさらに強くなる……そのまま彼女の成長を許せば、下手をしたら我々だけではなく、兄者を超えるとんでもない化け物になるぞ」
「…………」
先程まで仁九朗の言葉を鼻で笑っていた又兵衛も流石に顔色が青くなり、唾を呑むしかできなかった。ほんの僅か…しかし長く感じる沈黙が続いたが、それを破ったのは1人の青年だった
「だがそれも含めてリオンの実力の内だ。よほどのイレギュラーが無い限りは彼女の敗北も、我々に牙を剥くなどありはしない。そうやってあの子を化け物扱いするのは感心しないぞ?仁九朗……」
「兄者…」
「大兄貴…」
そんな仁九朗以上にリオンを高く評価する男がいた。仁九朗と又兵衛の兄貴分である銀髪の青年…ライゼル・S・クロウリーは何か確信があるようにリオンの勝ちを断言した。それだけではなく、リオンを化け物の様を見る様な発言をした
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