15. 和之、みんなに煽られる。
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んは?』
やべ……何も嘘が思いつかねー……
「ちーす! かずゆきの秘書艦の鈴谷でーす! いつもうちの提督がお世話になってまーす!!」
「バッ……!! なんつーことを……!!」
『……あーなるほど。よろしく鈴谷』
あれ? 課長、納得するの妙に早くない? つーかなんでそんなに鈴谷に慣れてるの?
「すみません課長! この子は知り合いでして……」
『斎藤。お前が実家に戻る決心をしたのは鈴谷のためか。ニヤニヤ』
課長……アンタもか。アンタも僕をからかうか。
「いや関係ありません」
『ホントか? ニヤニヤ』
「ホントですって!」
『……まぁいい。邪魔しちゃ悪いしそろそろ切るか。それじゃ鈴谷。秘書艦として斎藤の補佐、よろしく頼む』
「了解!」
『斎藤も鈴谷とお幸せに。んじゃッ』
このクソ課長……言いたいことだけ言って勝手に通話を切りやがった……と思ったら、通話が切れる寸前……
『“ていとくー?”“おー、今行くぞーず……”』
という会話がディスプレイの向こう側から聞こえてきた。なんか聞き覚えあるぞ今の声……
「ん? ていとく?」
鈴谷が首をかしげていた。腕を組み、右斜め45度に首を傾けて、頭に大きなはてなマークを浮かべた様は、僕に某ステルスアクションゲームの兵士を思い起こさせた。スネークっ!!
「ん? どうかしたか?」
「いや、今のあまーい『ていとくー?』て呼び方、どっかで聞いたことあるなーと思って」
同じく僕も腕を組み、首を右斜め45度に傾けて自身の記憶を懸命に辿ってみる。僕もなんか聞いたことある声なんだよね……あの告別式の日に……はッ!! ひょっとして課長の奥さんも!!
「鈴谷たちと同じコスプレ電波系?」
「ひどっ」
季節は夏真っ盛り。日中はモチベーションの高い太陽がやる気に満ち溢れた熱と光で大地を照りつけ、恐怖の生命体であるセミたちが湧き上がる熱情を恐怖の咆哮で表現する、戦慄の恋の季節にして過酷な季節。扇風機の前で『ワレワレハウチュウジンダ』と宇宙人の真似をしたくなり、水滴のついたグラスに入った麦茶とチューペット、そしてスイカがこの上ないごちそうになる、魅惑の季節。
「まぁ課長のことは置いといて……明日は誰か来るのか?」
「さっき連絡したらね。摩耶さんと金剛さんたちが来たいんだって! 金剛さんたちはティータイムの準備して行くって行ってた!」
「なるほど。なら爺様の言ってたことが本当かどうか確認してやるッ」
この季節を境に、僕は鈴谷をはじめとしたたくさんのコスプレ電波集団の女の子たちと仲良くなることが出来た。爺様は亡くなったが、その代わりに僕はたくさんの楽しい人たちと……爺様の孫娘たちと固い絆で結ばれることが出来た。今後は、代わ
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