15. 和之、みんなに煽られる。
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。ニヤニヤ」
「で、改めて聞くけど俺達やっぱ出かけた方がいい?」
「頼むから両親らしい振る舞いをしてください父さん母さん」
とこんな具合で、あれだけ不安で眠れなかった自分が馬鹿らしくなるほどに、鈴谷は普通にまた僕の前に姿を表していた。その後父ちゃんと母ちゃんは夫婦で出かけるというあからさまで迷惑この上ない心配りを見せてくれ、僕と鈴谷は居間で鈴谷たちの状況とこれからのことを話していた。
鈴谷曰く、摩耶さんはけっこう気持ちが前向きになったらしい。今朝は秘書艦として復帰し、爺様の代わりに提督代行として辣腕を振るっているそうだ。といっても艦隊指揮を取る爺様もいないし(つーか艦隊指揮?)、特にすることもなく鈴谷たちはヒマを持て余しているそうで。
「で相談なんだけどさ」
「あ?」
「これからちょくちょくみんなで遊びに来てもいい?」
それは別に構わん。……つーか老後生活の近い父ちゃんと母ちゃんのいい話し相手になってくれればあの二人も喜ぶだろう。
「別にいいよ。僕はもうすぐ東京に戻るけど」
「え……かずゆき、ここに住んでるんじゃないの?」
「いや、今は休暇中だからここにいるだけなんだけど……言ってなかったっけ?」
「聞いてない。つーかぶっちゃけ仕事してないと思ってた」
「お前あとで説教」
「えー……涼風ちゃんとかよく『今度カズユキの家に行ってアイツに足四の字かけてやるッ!!』とか意気込んでるしさ」
ほほう。大人の僕にケンカを売るとはいい度胸だ。次のパロ・スペシャルの餌食は涼風に決定だな。僕がこっちにいる間に来てくれればだけど……
「鈴谷も、かずゆきがいないと来てもつまんないしなー……」
え……ちょっと何なのこれ……なんで鈴谷のこんな他愛無い一言で僕の胸ドキンとかしちゃってるのよ……なんでちょっとぞわってうれしくなっちゃってるのよ……。
――和之。
「まー……仕方ないか! んじゃかずゆきがこっちにいる間にできるだけみんなをつれてくることにする!」
「みんなって……何人ぐらい?」
「みんな」
「だから具体的に……ってちょっと待て。みんなって、みんなか?」
「うん。みんな」
「……まさかとは思うけど……全員?」
「そだよー。摩耶さんも“一人でひこざえもんに挨拶したいし、久しぶりに帰りたい”て鼻の穴広げてたし……あれちょっと待って。帰りたいってなに?」
「……マジかよ……つーか僕に聞くなよ知らないよ……」
摩耶さんも気になるけど……やっばり爺様の言うとおり、婆様の生まれ変わりなのかどうか気になるけど……それよりもだいたい僕がここにいる期間なんてあと2日ほどしかないぞ? その間に全員がくるってのはどだいムリな話じゃないか。そんなのダメに決まってる。
……しまった。ある
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