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大統領の日常
外伝一話
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。加えて最低限の衣食住は保証されているし、面会や差し入れもある程度許されている事も反対意見が少ない理由だろう。

「ではまず、彼女が行った行為を解説していきましょう」
「ウォルフィーナ・ローゼ氏は2年前、親戚がなくなったために子供を3人養子として引き取っていました。しかしとてもよい生活とは言えない状態でした。両親の遺産をすべて奪われた挙句、奴隷のようにこき使われ、食事をまともに出してもらえていなかったのです」
「なるほど、しかしなぜここまでの重罪となったのでしょうか」
「はい。それから2か月ほどたったころローゼ氏が外出している間に3人は逃げ出し、警察によって保護されました」
「なるほど、それがきっかけでこのようなことになったのですね」
「いえ、これれには続きがあるのです。その後その3人は大統領に引き取られたのです」
「大統領が子供を引き取るというのはどういうことなのでしょうか」
「専門家の中ではこれは政治宣伝のためだという意見が強いようです」
「なるほど、戦災孤児を引き取ることで支持率を上げようということですか。しかし、あの大統領がそのようなことをする方でしょうか」
「これについてはこちらの記者会見の映像をご覧ください」
すると映像が切り替わった。正面には大統領が座っており周りにはたくさんの記者たちが詰めかけていた。

「専門家の中には大統領が政治宣伝のために彼女たちを引き取ったという意見もありますが、そのことについてはどうなのでしょうか」
大統領は一瞬秘書のほうを見たがすぐに正面を向いてしゃべり始めた。
「彼女たちを引き取ったのは当初政治宣伝のためでした」
この言葉に部屋中が騒然となった。実際私も驚いている大統領の性格からしてそんなことをする人ではないと思っているが・・・
「・・・しかし、私は政治宣伝に利用することは断固反対しました。なぜなら、戦争で親を亡くした子供までも政治の道具にするなどというゴミ以下の事をして票を勝ち取ろうとするなど正気の人間が行うことではないと考えたからです」
”ゴミ以下”か、これを聞いた子供を道具にしている政治家の顔が見てみたい。恐らくみな青ざめているだろうが・・・
記者たちからは”おーー”という唸り声が上がっていた。やはりこの大統領はよい人だ。

「彼女たちはいや!戦争によって親を亡くした戦災孤児をこれ以上増やさないためにも!私は1日でも早く戦争を終わらせることが出来るよう全力を尽くしたいと思っています。それがもし非常な手段であってもです」
記者たちがまた”おーー”と言ってうなずいている。非常な手段、という言葉が少し引っかかるが・・・
恐らく自分の身を犠牲にしてもということなんだろう。
また映像が切り替わり、さっきのアナウンサーと白髪の親父が写った。

「さすがは大統領、とい
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