第十六話 神戸を後にしてその二
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「隠せなくなるから」
「一ヶ月位したら」
「身体の変化が早いわね」
ここでこうも言った。
「やっぱり成長期だから」
「その分なんだ」
「ええ、貴方の身体の変化は早いわ」
「急に女の子になっていってるんだね、僕」
「そう、だからいいわね」
「うん、一ヶ月後にはだね」
「長崎よ」
そこに行くことになるというのだ。
「いいわね」
「わかったよ、姉さん」
「そういうことでね」
優子も頷いて答えた。
「用意しておいてね」
「向こうに行くね」
「二年ちょっとはあっちにいるから」
高校を卒業するまではというのだ。
「アパートにも入ってね」
「そうだね、二年ちょっとだね」
「短いようで長いわよ」
その二年少しの期間はというのだ。
「荷物も多くなるわよ」
「そうだね、二年の間にね」
「色々なものを買ったりするから」
だからだというのだ。
「そして持って行くものもね」
「多いよね」
「女の子になる時のことも考えて」
そしてというのだ。
「ものを持って行ってね」
「そうするね」
「女の子になったら」
「そう、ものが多くなるから」
「そのことも考えて持って行かないと」
「そう、駄目だから」
それでというのだ。
「気をつけてね」
「うん、それじゃあ」
「姉さんが用意するから」
女の子が必要とするものはというのだ。
「そのことも任せてね」
「お願いするね」
「生理用品ね」
優子は特にだ、この女の子ならば絶対に必要とするものについて弟に話した。
「これが一番大事よ」
「生理用品?」
「そう、それがなのよ」
「大事なんだ」
「ナプキンなりね」
「ナプキンね」
「そうしたこと考えたことなかったでしょ」
優子は優花の目を見て問うた。
「そうでしょ」
「うん、ちょっとね」
実はその通りだった、優花は自分が女の子になることに頭が一杯で具体的にどうした身体になるかまでは殆ど考えていなかった。
それでだ、優子にも答えた。
「そこまでは」
「そうよね、本当にね」
「生理用品もなんだ」
「必要になるのよ」
「月経とか」
「女の子は絶対になるから」
「そうした身体の仕組みだからだよね」
優花もこのことは知っている、それで答えることが出来たのだ。
「そうだよね」
「そう、だからどうしてもね」
「それはあるんだね」
「誰でもね」
女性ならとだ、優子は弟に答えた。
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