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不器用なマジシャン
3部分:第三章
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とだ。
 子供達を見ていた。その彼等は笑顔でいる。その横にだ。
 あの女の人がずっと傍にいた。そうして子供達、身体が悪い彼等をだ。そっと助けていたのだ。彼等に気付かれないようにしてだ。
 彼はそれも見た。さりげないが確かな動きをだ。マジックの間ずっと見ていたのだ。
 マジックが終わると拍手で祝福された。子供達は満面の笑顔だ。その中にだ。
 あの女の人もいた。その人も奇麗な笑顔で彼に拍手をしてくれている。彼はそれを見たのである。
 何度もカーテンコールを受けてから舞台裏に戻る。その時にはだ。
 その人が笑顔で迎えてくれた。そしてこう言ってくれたのだ。
「御疲れ様でした」
「あっ、すいません」
「今日は本当に有り難うございます」
 こう彼に言ってきたのである。
「御蔭で子供達が喜んでくれました」
「そうですか。それは何よりです」
「はい、本当に」
「ではまた機会がありましたら」
 亮太もだ。笑顔でその人に話したのであった。そしてだ。

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