暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはStrikers〜誰が為に槍は振るわれる〜
第一章 夢追い人
第9話 とあるスパイを自称する陸曹の日常
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すよというようなランプを買っておき、その関節部分にカメラを仕込んでいたのだ。
 これならラディが部屋でなにをしようが、はやてには手に取るように分かる。
 彼のプライベートを侵す行為に、当初ははやての良心も痛みもしたが、これも部隊のため、仕方ないのだと割り切り設置した。

 だが、そんなはやての罪悪感も、ラディがこの部屋に入った次の朝には跡形もなく消し飛んでいた。

「えぇ!? あのランプに監視カメラなんて仕込まれていたんですか!? ぼくぅ、知りませんでした〜」
「昨日も一昨日もその前もおんなじこと言うてたよなぁ……っ」

 ――これである。
 初日から――というか部屋に入った直後から、明らかにカメラとついでに仕掛けていた盗聴器の位置に気づいた素振りをしながら、そのことをへらへら笑いながら否定し、機会があればこうしておもちゃにして遊ぶのだ。
 今日のように変な声を出しながらストリップするのは当たり前、下着を掛けるわ、カメラをガン見しながら自分への不平不満をぶちまけるわ、“薄い本”を広げながら“自家発電(きせいされました)”に及ぼうとしているところまで見せられそうになったときなど、思わずラディの部屋に魔法を飛ばしたほどである。

 これで良心を痛ませろという方が無理な話である。
 
 ちなみに余談だが、ランプのコンセント部分に隠されていたはずの盗聴器は、ご丁寧に掘り出され、微かな音でも拾えるよう剥き出しにされている。

「しかし〜どうしたもんですかねぇ〜。これはひじょーに困りましたぁ〜」
「……なにがや」

 困った困ったと言いながら眉根を寄せるラディに、嫌な予感を感じながらも一応は聞き返す。
 聞き返されたラディは、それはもうすばらしいすばらしい笑顔を浮かべて、応えた。

「寝汗かいたのでパンツも履き替えようかと思いまして……見ていきます?」
「シュバルツェ・ヴィルクング!!」

 はやては一片の躊躇もなく、その笑顔に文字通りの魔拳を繰り出した。



○●○●○●○●○●○

AM.10:30

 機動六課隊舎、事務室。
 この時間、前線メンバーが訓練しているため、人口密度が低くなっているオフィスにラディはいた。
 なぜライトニング分隊の副隊長であり、前線メンバーであるラディがこの時間からオフィスにいるのかというと、理由は簡単、これが彼の本来の職務だからである。

 ラディが地上本部首都防衛隊から機動六課ライトニング分隊へと出向となった理由、それは、ライトニング分隊のデスクワークの負担緩和、である。
 事務処理にまだ不慣れなエリオとキャロ、法務の責任者に他の部隊との折衝も兼任する隊長のフェイト、そしてそのフォローのため、外に出ることも多い副隊長のシグナムを抱えるライトニング分隊は、
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