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SAO−銀ノ月−
第百十二話
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速度からの高速の一撃が敵を捉え、接近されたために鞭を振るえない敵の運命は決まったようなものだった。

「という訳でここは任せて! リズさんをお願いします!」

「――ありがとう!」

 そうしてピナの案内に伴って、ルクスは森の中に飛翔していく。シリカはそれを見届けることはなく、今もなお戦うメンバーとともに、敵に向かって短剣を構えた。


「お前……誰だ?」

 森の中。カタナを油断なく構えるショウキの前に、四人のフード付き妖精が姿を現していた。こっちから探す手間が省けた、という思いもあったが、それはともかく。ショウキはその質問を男たちにしていた。

 いや、正確には――その四人のフード付き妖精の中にいる、リーダーのような立ち位置に存在する男にだ。彼だけは正体を隠すための簡素なフードではなく、ポンチョと呼べるほどの長さを持った服を着ていた。その手にはナイフが握られており、武器をフード付きの服で隠した他の妖精とは、その点も異彩を発していた。

 ――そう、まるであの殺人ギルドのリーダーのような。

「…………」

 彼からの返答は、ポンチョから覗く笑みを深めるのみで終わり、その周りにいた三人のフード付き妖精が襲いかかってきた。三人同時に別々の方向から、武器を長いコートで隠して――と、対処が難しい理にかなった方法で。

 対するショウキは何も言わずに、ゆっくりと日本刀《銀ノ月》で『突き』の体勢を取る。別方向から襲いかかる三人に対して、明らかに不向きな体勢にフード付き妖精はいぶかしんだが、ともかく同時に襲いかからんとタイミングを合わせていく。

 かの浮遊城の時から何度となく行ってきた同時攻撃、それぞれの武器の特徴も分かっているし、タイミングを合わせるのも一瞬で済む。

「待ってやる義理はない……!」

 ――しかし、そのタイミングを合わせる一瞬を見逃すことはなく、ショウキはフード付き妖精の一人に肉迫した。すぐさま足払いで転ばせると、その突きの体勢から発動する技を見せていく。

 すなわちOSS。ソードスキルを使えないショウキにとって、ある特定の構えから移行する技はそのOSSに限られる。

「せやっ!」

 まずはフード付き妖精の身体を貫く、まるで銃弾のような貫通力を持った突き――とほぼ同時に放たれる、もう一本の突き――いや、さらに放たれるもう一本の突き。まるで日本刀《銀ノ月》が増殖したかのように、ほとんど同時のタイミングで、三回の突きがフード付き妖精を襲った。体勢を崩していたフード付き妖精には、それら三回の突きは的確に急所を貫いた。

 頭、喉、みぞおち。最後に血を払うような横一線により、腹から両断されたフード付き妖精はポリゴン片と化していた。そのままもう一度突きの体勢に移行すると、目に見えて
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