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魔王に直々に滅ぼされた彼女はゾンビ化して世界を救うそうです
第7話『Re:maker』
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傭兵《リ・メイカー》』にそれは許されない。
「……あぁ、テメェらが何度来ても、それを許すつもりはない。大人しく『
魔界
(
あっち
)
』に引きこもってろよ、大物」
魔族の軍勢は後衛と街の騎士団に任せ、前衛の殆どで魔公を囲う。辛うじて対抗可能目安ではあるが、絶対に気を抜くことは許されない。目を離せば死ぬ。たった一度の瞬きの内に死ぬ。それほどに規格外、それほどの化け物が目の前に居る。
紅蓮の魔族はゆっくりと立ち上がり、真正面からジークを睨みつける。同時に暴力的なまでの魔力の本流を渦巻かせながら、頭を抱えて声を漏らした。
「あやつの予言通りという訳か……ハッ、踊らされているというのも不快だが、仕方あるまい。−−あの死徒は何処にいる?」
「……死徒だと?」
「あぁ、お前が交流を続けていたあの死徒だ。名前は……確かスィーラと呼んでいたか?何処にいる」
「魔族の親玉が、あの子に何の用だ」
「上の命令でな、あの娘にはこの街に居って貰わねば困るのだよ。全く、上も悪趣味な事を考える」
嘲る様に両手を上げて肩を竦める魔公は、直ぐにその腕に魔力を通す。その腕に刻まれた魔法陣が起動し、爆発的にその肉体を強化する。さらなる『死』の気配が、戦場を呑み込んだ。
気付けば、他の魔族達も付近には居ない。退却こそしていないが、魔公を中心にぽっかりと穴を開けるかの様に離れている。近くに居れば巻き込まれて死ぬと、直ぐに理解したのだろう。
−−世界が、歪む。
「問答は終わりだ──さぁ、悪いが付き合ってもらうぞ《神殺し》の眷族達よ。なあに、必死で足掻けば、命くらいは助かるだろうなぁッ!」
災厄が、動き出す。
◇ ◇ ◇
「……『
対魔傭兵
(
リ・メイカー
)
』……!?」
思わずメイリアが声を漏らす。少し離れた教会の屋根の上に槍を担いで佇むその戦士達は、尋常ならざる魔力を全身に漲らせている。その力は、かつて森で影の巨人を屠ったジークと同格。それだけで、目の前の男が人の域を超えた強者だと理解する。
そう、目の前に佇むは間違いなく人類の最後の希望。衰退した人間が唯一魔族に対抗出来る切り札。『創造者』の一人−−!
「……近辺に敵性反応無し、危険性極低。オイ!街の住民を保護しろ!全方位囲んで、魔族の侵入を許すなッ!手の空いているものは食糧配給に回れ!負傷者の手当ても忘れるな!」
槍を掲げた男の指示に従い、背後に控えていた戦士達が一斉に広場へと降り立つ。剣や槍を持つ者達は広場に繋がる道を全て塞ぎ、杖や弓を持つ者達はその手に抱えた大きな袋から緊急用らしき食糧を取り出して配給を始める。あまりに手慣れたその行動に一瞬言葉を失うが、メイリアはその頭脳を
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