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魔王に直々に滅ぼされた彼女はゾンビ化して世界を救うそうです
第7話『Re:maker』
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程度一本たりとも通さない。

 −−敵が並の魔族だけならば、だが。

 魔族の軍勢の中から、一つの影が上空に飛び出した。
 残像を伴って高速で移動するソレは、最高点に到達するとその体勢を直し、更に速度を上げて戦士達の中心へ向かい突撃する。空気の層を突き抜ける音が響き、ラウラに着弾すると同時にとてつもない衝撃が巻き起こった。やがてぞの中心にヒビが入り、溢れる魔力がそこから漏れ出してくる。

「……ぐっ、破られるぞ!衝撃体勢を取れッ!」

 盾の持ち主が声を張り上げる。同時にジーク含む戦士達が盾の中心方向へ向き直って各々の得物を大地に突き刺し、魔術障壁を展開した。同時に、ソラを覆う薄緑の巨壁が膨大な魔力に呑まれ、その中心に大穴の名残を残して決壊する。同時に大地へと降り立った『ソレ』は、その身から他の魔族とは桁違いの魔力を戦士達に叩き付ける。それは攻撃ではないにも関わらず、障壁がビリビリと震え、端には小さなヒビが入った。
 燃えるような赤色の短髪、鍛え上げられた体には数多の魔法陣が刻まれ、その身体能力を劇的に高めている。その衣服は直ぐに最上級の魔毛で編まれたモノだと分かった。その手には漆黒の籠手を纏い、鋭い黄金色の眼光は瞬時に戦場を見通した。
 即座に察する、『ソレ』が今回の襲撃の親玉だと。街を襲う魔族達を率いる、魔公クラスの大物−−!

「−−魔公出現!対公体勢っ!」

 魔族の中でも、一定以上の実力を持つモノには特殊な名称で認定される。魔王に始まるそれらは『対魔傭兵(リ・メイカー)』の中でも危険視されており、稀に出現した際は人数を揃え、何としてでも狩るというのが鉄則である。

『魔王』とその直属の部下である『四大魔』と呼ばれる四体。その統率軍がそれぞれ数人保有する『崩魔』と『結魔』。そして魔王軍とは別に、生来強力な力を保有する『魔公』。
 ランクでいうならば魔公は最低クラスではあるのだが、他のようにハッキリと実力が分からないためにSSS~Eのレートが振り分けられる。魔力から今目の前に現れた魔公をそれらに振り分けるのならば……

「……Bランク……!どんだけ張り切ってんだ奴ら……っ!」

 目安で言うならばSSSは魔王クラス。SSは四大魔全員と渡り合い、Sは四大魔単体級。Aは崩魔、結魔級とも言われる。……そしてBですら、その単体で首都級の街一つを落とせるレベルの化け物。ジーク達ですら、数十人と数を揃えねば対抗すら出来ない。全く、あまりの理不尽さにため息が出る。

 不意に、目の前の化け物が口を開いた。

「──我ら魔族の敵よ、未だ我らの道を阻むか」

 その低くおぞましい声には、聞くもの全てを威圧するプレッシャーがある。並の人間ならば心を砕かれ、膝を折り、直ぐに戦意喪失するだろう。
 しかし、『|対魔
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