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魔王に直々に滅ぼされた彼女はゾンビ化して世界を救うそうです
第7話『Re:maker』
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かしらの特殊な力が宿っている事が殆どだ。魔法の強化を受けやすかったり、錆びにくかったり、魔族に対する切れ味があがったりと、その効果は様々。が、これらの武器の真髄はそこではない。
 即ち、機能解放−−正式名称『次世界式:原典再現(プロジェクタリ:マイノルド)』。
 かつての武器の持ち主達が持ち得た最高の業を魔術と変換し、遺品を用いて再現する大魔術。アスヴィシシャスであるならば『敵の息の根を止めるまで終わらない敵を追う槍の投擲』。エグメトならば『天上に撃ち放った矢からの、光を纏った鉄槌』といった具合に、それぞれの武器が成し得た偉業を再度成す反則業。
 当然、ジークが持つフォナトシオルグス(ソレ)にもその力がある訳で−−

「──機能完全解放。焼き切れ……ッ!『ファナトシオルグス(天の極光)』っ!」

 横一文字。ジークが光を纏った長剣を振り抜くと、その軌跡をなぞるように白銀の閃光が駆け抜ける。ソレは肉を裂き、盾を断ち、剣を焼き、あらゆる障害を無視して魔族達を刈り取っていく。それでもやはりというかなんというか後ろから次々と魔族達が侵攻し、途切れる様子はない。
 機能解放は一度使うと再発動に魔力を練り直す必要がある切り札だ、本来真っ先に撃つべきものではないのだが……

「……殲滅戦となるとそうも言ってられないのがな……!」

「ジーク、あと十秒で解放攻撃が終わるぞ。どうする」

「分かった、指揮をとる。後衛は前衛陣に補助魔術を掛けるよう伝えてくれ、前衛はカウントして一斉に突撃する」

「了解」

 剣を掲げ、背後で同じく機能解放攻撃を終えた同僚達の視線を集める。今だけではあるが、《神殺し》直々に指揮を任されたのだ。やるからには本気でやらねばなるまい。指示通りに配置についた戦士達が、各々の武器を構えた。

「……3、2、1……行けッ!」

 霞むほどの速度で数十の傭兵達が飛び出していく。数多の死神達は各々の武器を掲げ、群がる魔族達へとその力を振るっていく。『対魔傭兵(リ・メイカー)』の戦士達は一人一人が一騎当千。故に、百二十の軍勢ともなれば並の魔族十二万に匹敵する。ジークもまた同時に飛び出し、その陽光を受けて輝く白銀の剣を振るった。
 一振りすれば腕を刎ね、二振りすれば首を狩り、三振りすれば命を絶つ。かつて神話の戦場で半神の英雄が振るったとされる極光剣は、主人は違えどその切れ味を遺憾無く発揮する。

 背後から鈍色の大剣が振るわれる。が、それはジークの髪を数本巻き込むだけに終わり、振り向きざまに振り抜かれた光剣が大剣の主であるゴブリンの胴を薙いだ。
 天から幾重にも炎の矢が降り注ぐ。が、それは背後から広がった巨大な盾−−正式名称『空盾ラウラ』が、その全てを悉く弾き飛ばした。前衛部隊に紛れる槍士の大盾は雑兵の矢
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