3,復帰戦
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た、う……クロウくん」
君もいらないよ、と言ってから彼女の見ていたものを視覚化してもらい、見せてもらう。
主装備も決まっていない様で、見ていたものは重装備から軽装備まで様々だ。
「剣道はあっちでやってた?」
「ええ、一応五段です。」
「なるほど、五段……五段!!?」
思わず後ずさる。確かにそう言われるとこの佇まいや仕草から簡単に剣道着姿の彼女を思い起こせるから不思議なものだ。
「じゃあ曲刀はどう?確かそこら辺はそりがあって微妙に刀に似てると思うし」
「そうですか?それではそれでお願いします。防具はどうすればいいですか?」
「躱すのは初めてだと難しいから、少し軽装備のほうが躱しやすいよ。ここらへんかな」
そういってお勧めの装備を次々とピックアップして、良い感じの装備を選んでいく。
俺が投剣と近接攻撃で撹乱できるし・レイズさんは両手剣だから攻撃力が期待できる。盾持ちがいないのはきついが、しばらくはなんとかなるだろう。
「まあ、暫定タンクはレイズさんで俺がサポートします。ヤヨイさんはダメージディーラーで立ち回ればなんとかなるっしょ」
「そのことなんだが、クロウ君、レイズさん。ひとつ頼みがあります」
装備を選び終えたヤヨイさんがコチラのことを見て口を開く。
「君たちは戦わないで欲しい。攻略は私ひとりで行います」
な、二人して唖然とした。今、なんて言った。一人で攻略を行うだと?
「正直、君たちは足手まといです。基本だけレクチャーしてもらえれば、安全なこの街にいてもらって構わない」
平然とそれを言ってのけるのは無知かそれとも自信なのか。しかし、ベーターテスターの俺ならともかく、ゲーム初心者のヤヨイさんでは攻略なんて無理もいいところだ。
「それは無理ですよ、一般的なユーザーは六人でパーティーを組む。三人なんて少ないほうだ。」
レイズさんがもっともな反論を述べるが、意にも介さずヤヨイさんは続ける。
「しかし、一人で攻略を行うものも居ると以前聞きましたが?」
「それは、このゲームを知り尽くした玄人です。素人のあなたじゃ無理だ!」
「では、私が慣れれば問題ないな。実戦経験はある。この世界の誰よりも私は強いよ」
なおも説得をしようとするレイズさんを左手で制した。同時に慣れた手つきで右手を振り、メニューから一つを選びだす。
ヤヨイの眼の前に現れたのは「決闘が申し込まれました」というメニューバーだ。
「日本での経験なんか、この世界じゃ意味が無いってのよ教えてやるよ」
可逆的な笑みを浮かべ、俺はこの世界での復帰戦の舞台を決めた。
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二人してコツコツと外に出た。レイズさんも後ろから
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